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バセンジーは哀しみの犬 (創元推理文庫)

価格: ¥1,029
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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本格派ミステリ+α ★★★★★
探偵と犬。この組み合わせのミステリは過去にもたくさんあった。犬好きからすると物足りないほど犬の存在が薄い作品も多いなかで、本書の主人公レイチェルが連れている相棒犬ダシール(アメリカン・スタッフォードシャ・ーテリア)は存在感がある。それに加えて第二の主人公バセンジーのマグリットを忘れてはならない。この表紙に描かれている犬の絵を見てほしい。哀しみに沈んだような切ない顔をしてる彼は、唯一無二の飼い主を殺されてしまったのだ。

被害者の親友に依頼を受けたひとりと一匹が事件の真相に迫ることになった。ネタバレするので多くは書かないが、本書のなかには同性愛に対する偏見や差別といった問題や、チャンピオン犬を巡る利権問題、家族の問題などなどがてんこ盛りにされている。かなりえぐい部分もある。

犬好きの立場から書かせてもらうとドッグショーのシーンは新鮮だった。まさかミステリでそんな場面に遭遇するとは思わなかったから。吠えない犬バセンジーが飼い主を恋しがって遠吠えをするシーンは切なかった。探偵と犬のミステリにしてはかなり本格的な筋立てだし、犬好き以外の人にも胸を張ってお勧めできると思う。シリーズ化されているそうなので自作にも期待。
バツイチ女探偵レイチェル&頼れる闘犬ダシール初登場の癒し系ハードボイルド第1弾。 ★★★★☆
アメリカのシェイマス賞最優秀処女長編賞受賞作で動物ミステリーの分野に新風をもたらした期待の癒し系ハードボイルド・シリーズ第1弾です。これまで動物が登場する翻訳ミステリーと言えば大半がコージー・ミステリーでしたが、本シリーズは女私立探偵が活躍するハードボイルドという珍しい変り種で、ヒロインの良き相棒であるワンコの存在が犯罪の非情さを和らげ癒しの効果を上げています。元ドッグトレーナーの私立探偵レイチェル・アレグザンダーはバツイチでNYに仕事のパートナーの闘犬ダシールと暮らす30代後半のユダヤ人女性です。本書は彼女のひとり語りの文体で構成されており、全35章の題名から彼女のその時々の感情の流れや喜怒哀楽が窺い知れて面白く、「探偵の○箇条」と心得を自分に言い聞かせながら事件に対処する様子にキャリア5年目とは言えまだ初々しさを感じます。相棒の闘犬ダシールは犬種がアメリカン・スタッフォードシャー・テリアで、ネットで画像を調べてみると考えていたイメージと違って不恰好で勇ましく見えませんでしたが、日課で毎朝新聞を咥えて運ぶ優れ技を披露したりエイズ患者の老人施設を慰問して優しく癒してくれたりと実に有能で、頼もしくやる時はきっちりと決めてみせます。
今回の依頼は友人の画家が轢き殺された事件の犯人探しで、ゲイ(同性愛者)の虐待説・絵画の売買絡み・被害者の飼っていた愛犬バセンジーの繁殖の利権、と複数の動機が考えられ調査は難航する。レイチェルは失踪していたバセンジーのマグリットを預かる内に第二の殺人事件に遭遇し、ようやく意外な真相を暴き出す。
本書の謎解きの唯一の瑕は、どうして犯人が物言わぬ犬をつけ狙う必要があるのかという点ですが、それでもハードボイルドらしい哀しく非情な人間ドラマには心を動かされました。他にもサーカスで虐待される動物達への憐みの挿話が深く心に刻まれまして、今後の紹介も大いに楽しみです。
おもしろいけど、訳がいまひとつ ★★★☆☆
「バセンジー」というタイトルに惹かれて購入しました。
原作で読みたかったです。

元ドッグトレーナーの探偵のもとに、殺人犯人捜しと殺された同性愛者の飼っていたバセンジーを探すという依頼がまいこんできます。
そんなわけで、ドッグショーの場面や犬種に関する話題がたくさんでてきます。

それなのに、ドッグショーや犬種に関する知識のないひとが訳したとしか思えないのです。
犬関係以外の部分でも、いつの時代の辞書を見て訳したんだ?と思われるよう箇所が随所にあります。

事件の展開はとても面白いだけに、訳のいまひとつな面が目立ってしまいとっても残念に思いました。

原文を読んでないので憶測ですが、バセンジーのミステリアスな雰囲気をいたるところで表現しようとしていたと思われます。
が、うまく伝わってこないのも残念だと思います。