近年の最高傑作 21世紀ポール流
★★★★★
繰り返し聞くと徐々に光を放ち始める、いぶし銀のようなアルバム。
キャッチーなメロディやノリで押さない、新しいスタイルの「いい曲」を提案しているのだろうか。
5年聞いているが飽きない。「なんか好き」なのである。
At The Mercyは過去のどのポール曲とも異なる。メロディーラインは耳についてクセになる。
English Tea、英国情緒たっぷりで車窓からの伝統的風景が思い浮かぶ。イギリス人達は大好きらしい。
A Certain Softnessにはラテンのサウダージが潜在的に仕掛けてある。これも非ビートルズ的。
Promise To You Girlからの3曲は素晴らしく何百回聞いただろう。
Anywayでポールの声とピアノだけになる3小節、思わず涙がこぼれる。
「これがポールのアルバム?」と一回聞いておしまいのリスナーには、聞き直すことを提案したい。
21世紀ポールの最高傑作に間違いないのだから。
アルバムの内容は最高ですが
★★★★★
私が持っているのは、US盤(Capitol)です。DVD付きが本当は欲しかったのですが
東芝EMIの悪しきセキュアCDなる曰く因縁の製造物でしたので、探して非CCCD盤を
入手しました。世界中で一番売れているMP3は、言わずと知れたipodなのに取り込みソフトの
itunesが非対応とは恐れ入りました。東芝製のギガ・ビートとかいう、MP3は、Windows Media Playerでの
取り込み対応なので、みみっちい販売方法が浮き彫りになってますね。笑っちゃいます。
因みに、私はitunesにCDを取り込んでパソコンで聴いているので、非itunesは、論外です。
目を閉じてじっくり味わいたいアルバム
★★★★☆
メジャーからマイナーへと縦横無尽に展開する楽曲の中をポールのメロディが遊ぶ。裏庭で子供達が走り回るように。エッセンスだけで組み立てられた小曲はどれも説得力があり、くっきりとポールの意図を浮かび上がらせる。全編にわたりシンプルで美しいアレンジ。英国の素朴で美しい情景が浮かぶ。目を閉じてじっくり味わいたいアルバム。ビートルズの残像を探す必要は全くない。「Jenny Wren」、「At The Mercy」、「English Tea」。すべてがビートルズであり、ポールである。
大傑作だとおもう
★★★★★
おそろしく丁寧につくられている。個人的には大傑作だとおもう。前作『ドライヴィング〜』にがっかりした人もおおかったはず。私もその一人で、終わったのかな、と悲しくなったものだ。まるで若気のいたりみたいな失敗だったからだ。しかしマッカートニーはカムバックしてきた。真に偉大な人である。
深いのに「らしく」しないポールのすごさ
★★★★★
私たちの世界を、何もかも、曲が流れた瞬間に変えてしまったビートルズ。次から次へとファンが世代をこえて生まれてくるににもかかわらず、あの時代を突き破る感覚は多分同時代に味わった者にしか分からないものなのかもしれない。でもそれをジョンとともに切り拓いてきた時代は、今はもうポール(とリンゴ)だけがひとり担っているだけになってしまった。その後のミュージシャンたちの音楽がビートルズのバリエーションを巧く組み合わせているに過ぎないのに、そしてそのようにして生まれたミュージシャンが大物として祭り上げられているに過ぎないのに、そうした流れとは関係なく、本家のポールだけは自分を壊すことを辞さないアルバムを作り続けているように思われる。4曲目の「アット・ザ・マーシー」、ベースラインの絶妙な運動、これひとつとっても、いかに深く音楽の中にポールが潜んでいるか、うなってしまわざるを得ない作品群である。