テキスト
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クロッパー法に基づきながらも両著者の臨床経験から多少の変更を加えているロールシャッハ・テストの初心者用手引書。本書では実施法・スコアリング法・解釈法を簡潔に紹介している。姉妹本である「ロールシャッハ診断法2」では各臨床群での実際の解釈法と集団式のロールシャッハテストが掲載されている。
クロッパー法と本書での一番の違いは形態水準のスコアリングである。クロッパー法では15段階にランク分けされているが、高橋らはこれを修正して3段階評定を用いている。その他としては日本での標準化のため800名の被検者を用いて、各反応の出現頻度の修正も行われている。クロッパー法自体、主観性の高い方法といわれているが、本書では正常成人・神経症群・精神病群・犯罪者群ごとの各反応の出現率を明記しているので客観性が多少高くなっている。