古本好きなら黙って買うべし
★★★★★
「均一小僧」こと岡崎武志氏による、『彷書月刊』連載の「ライフワーク」である、全国古書店紀行をまとめたもの。古本好きにとっては、ヒイヒイ言いながら、寝る間も惜しんで読んでしまうような一冊だと思います。
古本エッセイとしての面白さはもちろん、紀行としての楽しさも加わり、ほんとお買い得です。しかも多くの頁に、著者による手書きの注やイラストが付け加えられ、楽しさも3割増しといった感じ。15頁「芹沢ケイ(字が出ませんわ)介」が「芦沢」になっているのはどうかと思うが、まあご愛敬。他にも、著者から某作家への寄贈本に高値がついて古書として販売されていた話など。その某作家とは誰なのか、明かされております。とにかく楽しいエピソード満載だ。買う本の値段が、ほんとに安いのもさすが。
しかしこんな楽しい仕事を連載できて、さらに単行本で儲けてしまうなんて、実にうらやましいかぎりだ。ま、そのほとんどが古本代に消えるのだろうけど。