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白髪鬼 新装版 (光文社文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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買って損のない名作怪異集 ★★★★★
百物語のように参加者が次々と体験した怪異を話していく「青蛙堂鬼談」と同じ形式の怪異短編集です。
多くのレビュアーの方が詳細を記載しているのであえて書く必要はないでしょう。
青蛙堂鬼談の入っている「影を踏まれた女」、そしてこの「白髪鬼」、
三浦老人昔話と新集巷談の入った「鎧櫃の血」
この3冊は買って損のない岡本綺堂の名作を集めた怪異集文庫です。
綺堂怪談の「技」 ★★★★★
本書に収められた怪談は前作、「青蛙堂鬼談」と同様にその多くが語り口調で書かれています。
綺堂には「技」がある。「半七」や他の怪談も同様になぜ怪異が起こったのかをわざと具体的には語らないのだ。そのため読者は嫌でも怪異の「裏側」の物語を想像してしまうのだ。
本書収録の「指輪一つ」がそうだ。この話は語り部の側から見れば「行方不明の娘の霊が現れ父に指輪を託した話」であり悲しい物語だ。しかし、物語の中で語られる些細な文章から裏側の物語を想像すると「指輪一つ」はぞっとする物語が潜んでいるように思われるのだ。
多くを語らず読者の想像を掻き立てるゆえに綺堂怪談は恐ろしいのだと思う。
口調が良い ★★★★☆
 1988年に光文社文庫として出たものの新装版。文字が大きくなっている。
 『影を踏まれた女』の続編に位置づけられる怪談集。
 『近代異妖篇』(大正15年)から8篇、『異妖新編』(昭和8年)から5篇の、合計13篇が収められている。
 語り口の巧みさは抜群である。淡々とした口調なのに、いのまにか怖くなってしまう。また、あからさまに恐怖を描くのではなく、投げ出したような素っ気なさで怪異・不思議が語られている点が魅力的。結末に至っても、解明や謎解きがされないのも素晴らしい。不安や恐怖がじんわりと漂ってくるようだ。
 タイトルとなっている「白髪鬼」が傑作。ぞっとすること請け合い。
妖しの世界へと誘ってくれる岡本綺堂の怪談集。光文社から出ている数冊の中で個人的にはこれが一番。 ★★★★★
岡本綺堂の怪談十三作を収めた短編集。
いつもながらの何とも言えぬ江戸時代の雰囲気が漂い、と言いたいところですが、本作品集の中で江戸を舞台としたものは、十三作中四作のみ。残りは明治から昭和初期までの時代を扱った短編となっています。が、妖しくどこか懐かしい作者の描く幻想的な世界はそのまま、妖しの世界へと誘ってくれます。

木曾の杣人が山奥で出会った怪異を語る『木曾の杣人』、小舟の上で海亀の大群に襲われる『海亀』、夜詰めの若い侍たちがはじめた百物語の話『百物語』などなど、怪談としてとても優れたものが多いのも本作品集の特徴。

「こういう理由があったからこそ、この怪異が起きた」。この理由の部分がハッキリと語られないことが多く、それだからこそ胸に少しずつ少しずつ怖さが忍び入ってくる岡本綺堂の怪談。光文社文庫版で何冊か出ている作者の怪談集ですが、個人的にはこの『白髪鬼』が一番です。
江戸の鬼火がほのかにゆらめいているような怪奇談集 ★★★★★
 端正なたたずまいの文章の奥の方に、遠く江戸時代の怪異の狐火がゆらめいている綺堂怪奇談。「青蛙堂鬼談」の諸篇と「異妖編」「月の夜がたり」「影を踏まれた女」を収めた岡本綺堂【怪談コレクション】の第一弾『影を踏まれた女』に続く第二弾の作品集。収録作品は、「こま犬」「水鬼(すいき)」「停車場の少女」「木曾の旅人」「西瓜(すいか)」「鴛鴦鏡(おしどりかがみ)」「鐘ヶ淵」「指輪一つ」「白髪鬼」「離魂病」「海亀」「百物語」「妖婆(ようば)」の十三篇。
 特に印象に残った短篇は、「白髪鬼」「西瓜」「妖婆」「離魂病」の四つ。「白髪鬼」はラスト四行に、冷水をぶっかけられたみたいにぞっとさせられました。西瓜とあるものとがくるくると入れ替わるところが変に怖かった「西瓜」、霏霏と降り止まぬ雪の音が耳鳴りのように聞こえてきた「妖婆」、どちらもぞくぞくっとしましたね。「離魂病」は芥川龍之介が読んだら震え上がったんじゃないかっていう一種のドッペルゲンガー譚。この話の中に出てくる「自分で自分の後ろ姿を見る話」は、杉浦日向子さんの漫画『百物語』にも載っていました。
 巻末に、綺堂の「半七捕物帳」の世界を殊のほか愛し、自身「なめくじ長屋捕物さわぎ」の世界を創り出した都筑道夫氏の解説と、縄田一男氏の解題を収録。