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花はなぜ咲くの? (植物まるかじり叢書 (3))

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: 化学同人
Amazon.co.jpで確認
悪くは無いが・・・ ★★☆☆☆
開花・花成に関する最新の知見を、国内研究者の仕事を中心に紹介して行く本。
そういう本であると最初から分かった上で読むなら星4つ。
しかし、タイトルから受ける印象は小・中学生向けの啓蒙書。
そういう視点で読むと、明らかに内容が高度すぎる。
興味をもった小・中学生が挫折するのではなかろうか。
また、アカデミック臭のする気取った文体が鼻につく。
ターゲットにする読者層を明らかにして、そこに伝わる書物を出さないと
未来の植物学者の芽をつむことになりかねない。
少し厳しいが、星2つ。
誰がために花は咲く ★★★★★
 四季折々に、植物は美しい花を咲かせて我われの目を楽しませてくれる。しかし、そのために花を咲かせているわけではないだろう。

 植物が育ち栄養状態や温度、日照、降水量といった環境が整うと、葉でつくられたFTたんぱく質が茎頂まで運ばれる。これがフロリゲン、花を咲かせる植物ホルモンだ。モデル植物シロイヌナズナの突然変異体を用いて日本人科学者が発見した。

 花を咲かせる被子植物は、白亜紀の初め約1億3000万年前に誕生した。初めは、花粉を風で飛ばして受粉する風媒花だった。やがて昆虫の助けを借りる虫媒花が生まれ、植物と昆虫は共進化してきた。

 昆虫を呼ぶために花を咲かせるが、その目的は他家受粉である。自家受粉では多様性が低くなり、病原体などへの抵抗力も弱まるからだ。このための仕組みが自家不和合性である。自分の花粉がついても、花粉管が伸長できない。これに関わるのがS遺伝子で、同じ遺伝子型でのみ不和合性が成立する。100〜200という多数の対立遺伝子があるので、他個体からの花粉であればほとんど受粉可能である。

 上記の他にも、花の形づくりや色、熱帯多雨林の一斉開花、昆虫とのかけひきなど興味深い話題が盛り込まれている。この本を読むと、今まで当たり前に目にしてきた花が違って見えるようになること請け合いである。
花の最新の話題が読みやい ★★★★★
「花はなぜ咲くの?」などと軽い題名ながら植物生理学の最先端の内容を扱っている。

70年前にその存在が予想され名付けらていながらどんな物質かわからなかった花を咲かせるホルモン,フロリゲンの発見につての日本人研究者の活躍。花の形作りの遺伝子のABCモデル。青いバラなど花の色の話,昆虫と花との共進化。自家不和合成,熱帯の一斉開花メカニズム。

どの話題もおもしろく,しかも高校生にもよくわかるように書かれている。

このシリーズはすべてサイエンスライターが日本人研究者へインタビューして書くという形を取っているが,それが本全体の統一性を高めていて,読みやすくなっているのではないだろうか。しかもライターの力量がかなり高い。植物生理学会の監修も受けていて安心して読める。

植物生理学の最新の話題をやさしく楽しく読めるとても良い本。