いかにも日本のファンが好みそうなロマンティックなナンバーを集中的に演奏しているトリオ作品。それもそのはずで、これは2002年に「スイングジャーナル」誌でヒギンズに録音してほしい曲を募り、そのリクエストの上位25曲から12曲をチョイスして録音したアルバムだから。タイトル曲はリクエストの第1位だった曲だ。
なぜ上位12曲をそのまま録音しなかったかというと、すでに録音している曲もあるし、いくら人気曲でも本人が乗り気でない曲も混じっていたからだ。ベニー・ゴルソン作曲のクリフォード・ブラウン追悼曲< 6 >「アイ・リメンバー・クリフォード」とスタンダードの< 9 >「アゲイン」は、ファンのリクエスト曲ではなくヒギンズ自身のリクエスト曲。まあ順当な選曲だと思うけれど、< 3 >「ナーディス」はやや意外。これはビル・エヴァンスが得意にしていた曲で、こういう企画盤だからこそ実現した選曲といっていいだろう。しっとり感というか、哀愁と詩情を漂わせたヒギンズのピアノは、聴く者の琴線と涙腺をどうしようもなく刺激する。曲よし演奏よしの、とてもチャーミングなピアノ・トリオ作品だ。(市川正二)
聴き易い… しかし…
★★★★★
買い直して六年ぶりに聴いてますが複雑な気持ちです… こんな音だったかなって。キレいな音です、どこにも嫌な音が無い。ただ「魅せられし心」の頃に較べると半分は力を抜いていますね。ヒギンズ翁もガーンとフルに鍵盤を叩いてる箇所は無いし、恐らくレンハート氏は指の腹で軽くポーンと弾いてる感じだなぁ。ドラムはこのトリオには珍しくスティックを多用している何故か?そりゃあブラシで軽くやり過ぎると普通は全く音が出ないか出ても聴けたものでは無いから、そんな神技やれるのはブレーキ親分、エルビン様、トニー・ウィリアムスの三人だけ!なので下手くそではないがあくまでも普通のドラマーなアシオーネ氏はスティックを摘む様に軽く持っている訳ですね。誤解の無い様に、決して手抜きの演奏ではない、力だけ抜いているの、ただね肩の力が抜けて良い感じ… じゃなく本来めりはり付ける為に必要な力も意図的に全部抜いてる… 凡庸なトリオならば腰砕けの芯の無いムードミュージックに堕する所をぎりぎりジャズに踏み止まってる、何故なら彼ら三人が嘘の無いジャズを演ってきた本物のジャズマンだからこそなんだよね。そもそも選曲だって映画やミュージカルの曲ばかりで、譜面の時点で既にジャズというのは「ナーディス」他数曲でしょ、「クリフォードの思い出」はジャズオリジナルが少ないからヒギンズ翁からのリクエストで入れたんだよね。「コンファーメイション」「ウィスパー・ノット」「クレオパトラの夢」がカスリもしないSJ誌の読者の方々は本当はジャズが嫌いなんじゃないかと思う(笑)まあー少なくともヴィーナス(原さん?(笑))は九十年代に「ジャズファンも納得、オーディオファンも満足のハイパーマグナムサウンド」って言って売り出したのを思い出して欲しいですね。
ええですね。
★★★★★
JAZZは初心者。仕事しながら聞く時に、ハイテンションで考える時はハードロック、やや疲れて気を取り直して考えをめぐらす時はジャズのピアノが気に入っている。それで適当にレビュアーさんの意見を読みながら「これはいけそう」って思うのを買って楽しみに聞いています。これは当たり!!ほんまに当たり!!日本人向け企画・・・そう言われればそうなのかなって思いますが、別にええですやんね。そんなん。ええ演奏やねんから。実に気に入ってます。レビュアーの皆さんに有難うデス。それとこのジャケットええですね。雰囲気ええです。
ポピュラーな曲ばかりでなにが悪い,
★★★★☆
エディー・ヒギンス、日本で有名だが、アメリカではあまり知られていないし、最近は日本のヴィーナス・レコードが活躍の中心だ。70歳をとうに過ぎているが晩年に日本でブレーク。このアルバム、日本のジャズ・ファンの投票で曲を選んだので、日本人好みの美しい名曲ばかり。「星影のステラ」「あなたと夜と音楽と」「思いでのストックホルム」などなど。「新しいジャズ」でないと認めたがらないアメリカでは不評かもしれないが、美しい名曲をクラシックなスタイルで弾いてなにが悪い。理屈抜きに楽しい、繰り返し聴くアルバムだ。エディー・ホイギンス、サニーサイドというアメリカのレーベルからもズート・シムズに捧げた「ズート・ヒムス」ジョビンの曲を集めた「スピーキングス・オブ・ジョビン」などの珠玉の名盤を出しているが、そちらも上出来。(松本敏之)
ポピュラーな曲ばかりでなにが悪い
★★★★☆
エディー・ヒギンス、日本で有名だが、アメリカではあまり知られていないし、最近は日本のヴィーナス・レコードが活躍の中心だ。70歳をとうに過ぎているが晩年に日本でブレーク。このアルバム、日本のジャズ・ファンの投票で曲を選んだので、日本人好みの美しい名曲ばかり。「星影のステラ」「あなたと夜と音楽と」「思いでのストックホルム」などなど。「新しいジャズ」でないと認めたがらないアメリカでは不評かもしれないが、美しい名曲をクラシックなスタイルで弾いてなにが悪い。理屈抜きに楽しい、繰り返し聴くアルバムだ。エディー・ホイギンス、サニーサイドというアメリカのレーベルからもズート・シムズに捧げた「ズート・ヒムス」ジョビンの曲を集めた「スピーキングス・オブ・ジョビン」などの珠玉の名盤を出しているが、そちらも上出来。(松本敏之)
ポピュラーな曲ばかりでなにが悪い
★★★★☆
エディー・ヒギンス、日本で有名だが、アメリカではあまり知られていないし、最近は日本のヴィーナス・レコードが活躍の中心だ。70歳をとうに過ぎているが晩年に日本でブレーク。このアルバム、日本のジャズ・ファンの投票で曲を選んだので、日本人好みの美しい名曲ばかり。「星影のステラ」「あなたと夜と音楽と」「思いでのストックホルム」などなど。「新しいジャズ」でないと認めたがらないアメリカでは不評かもしれないが、美しい名曲をクラシックなスタイルで弾いてなにが悪い。理屈抜きに楽しい、繰り返し聴くアルバムだ。エディー・ホイギンス、サニーサイドというアメリカのレーベルからもズート・シムズに捧げた「ズート・ヒムス」ジョビンの曲を集めた「スピーキングス・オブ・ジョビン」などの珠玉の名盤を出しているが、そちらも上出来。(松本敏之)