「ロックンロールは進化しないんだ。変化はするけど」とは、1stアルバム発売時のヒロトの言葉。それでもそれなりに、「ロックバカ」と称する確信犯的な初期作品でもある種世代を超えたアンセムと化した「日曜日からの使者」でも、一見金太朗飴的でありながら、その都度その時期に最高に刺さる手法を呈示してきた。そして、少々の落ち着きとバンドとしての定番化を経て、この8作目では再び、シュールさとは異なるやり方でハイロウズの必然をしれっと突きつけている。「ズートロ」のすっとぼけ感、初期ナンバーに似たおバカ・アグレッシヴな「暴力アラウンド・ザ・クロック」、ダブ風音響の「ブラジル」…。R＆Rヒストリーに敬意バリバリなサウンドでありつつ、これはほかの誰も鳴らせない日本語ロックだ。（石角友香）