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境界の発生 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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先行文献の注釈書としても機能している著作 ★★★★★
 境界観念の発生と定着にまつわる論考をまとめた著作。先達が残した諸文献に現れるコトやモノを取り上げた上で著者独自の読みを加えていく方法で、古代の交通・琵琶法師・杖・人身御供譚・異人論・穢れ、それぞれを通じて境界がどう形成され、活性化され、内面化されるかについて考察している。

 文章のタッチや雰囲気には折口信夫・網野善彦・山口昌男などの影響が見受けられ、多くの研究者の意見が引用されているが、その分著者の個性が薄くなっていて、読後感が地味なのはそのせいもあるだろう。自分としては、風土記や記紀からの文を多く読めたのがいいし、古代の共同体へのイメージがよりはっきりしてきたのが楽しかった。読む前の「境界」についての感じ方と読んだ後のそれに違いがそれほどなかったのは事実だ。

 ある意味先行文献の注釈書としても読める一冊。本居宣長「宇比山踏」の記述を思い出した。
「境界」の奥深さ。 ★★★★★
「境界/生と死の風景をあるく」という題名で中世都市・鎌倉の境界を写真と共に説明することからこの本は始まる。それから日本全国を題材に、境界観念、交通、まれびと、杖と境界、人身御供譚、異人論、穢れについてなど、様々なテーマで文章はつづられていく。ムラ社会だった昔から国際社会の現代まで、「境界」は時に摩擦を生み出し、時に融和をもたらす。奥深いテーマだ。
初期論考集。 ★★★★★
 神話を研究する者が境界の神にあまり関心を持たないのとは対照的に、民俗学者は決まって境界(で生きる人)に触れたがる。それだけ魅力的なテーマだということなのだが。一言で言えば境界とは世界の隅っこである。しかし、それゆえに異なる世界が接しあう場所でもある。それが神の世界なのか、冥界なのか、魔の領域なのかはわからない。ただ、仮にそれが地理的平面的なものであろうとも、人は境界を意味し得る場所で、この世ならざるものが出現しては行きかい、すれ違う、そうした瞬間を感じ取っていたのである。いったい境界とはいかなる場所なのか、そして境界で生きる人々とは。

 著者が述べるとおり、大変地味な内容だと思う。ただし境界というテーマについて、中世だけでなく、古代の『風土記』の世界から論じて、その古層を掘り起こしていることには魅力を感じる。