女流作家の作品は滅多に読まないワシが、「これはきっと面白いはずだ」と勘が働き、第一集と二集をまとめて購入したのはよいが、しばらくほったらかしにしていた文庫本。

江戸の暮らしと風俗と料理。ワシ的には鬼平や梅安あたりで完結しているテーマだったのだが、ずっぽりハマった。
しかも、舞台はワシが書生時代を過ごした学び舎付近の九段、飯田橋、神田と馴染みの深い場所だ。
何もハードボイルドや読者サービスなんぞ無くとも、いや、そういう濃いファクターが無いからこそ活きる文章やストーリーもある。

第一集あたりは少々ぎこちないのだけど、話を重ねるごとに作者が乗ってきてるのが分かるし、読者としては、

「こいつぁ〜いけねぇよぉ〜」状態になってしまう。巻末のレシピ集が簡潔なだけに自分で料理を再現するときは、想像力をかきたてられそうだ。
第一集を読み終えた後、とりあえず、深夜営業のスーパーに走り、出来合いの茶碗蒸しと心太を買い求めた。

現在、第四集まで出版されているが、一気読みしてしまった。
この作品は間違いなくNHKが土曜時代劇で映像化するはずだ。いや、そうでなければ受信料払わんぞ。
配役は、色々あろうが、つる家店主の種市は残念なことに、故江戸家猫八以外に考えられない。
そうなれば、芳は故池内淳子か・・・。

新聞書評に興味ひかれて購読しましたが、正解でした！
次巻以降も買って一気読みしました。

苦難、成長、友情及び淡い恋の芽生えが、
澪の料理を通じて丁寧に描かれてます。

料理を食べる場面ではほんと自分が食べているみたいに心がポカポカします。
お客様の評判を得てからよりも、どん底からの立ち上げ期が描かれている本作が一番読み応えがあるし、泣けるのではと思います。

お薦めです！

八朔の雪は書評や、書店の店頭で見かけて、知ってはいたものの、
みをつくり料理帖というタイトルで時代小説のシリーズもの、
料理人ものかと、手に取らずに来たのですが、
新書数冊を購入した際、「八朔の雪」一冊を合わせて購入。
出張の移動中、気分転換に読みはじめると、引き込まれ
不覚にも感涙、思わずまわりに人がいないことを確認してしまいました。
丁寧に書かれた良い作品であると思いました。
世に優れた作品はあまたありますが、私にとってはこの作品も
心に残る良い作品でした。時代小説と限らずシリーズものは
毎度おなじみのメンバーが登場しと、パターン化しやすい面があり、
緊張感、密度を保つのは容易ではないと思いますが、今後が楽しみです。
巻末のレシピには驚きましたが、まだ、試していません。

先日、有川浩著「植物図鑑」を読んだ
他にも、料理を題材にした小説を読みたいと思い本著を手に取りました
良かった！

不幸が相次ぎ、上方を離れ江戸にたどり着いた料理人（見習い）の澪
当初は江戸と上方の食文化の違いに戸惑う
しかし、上方流の料理を江戸の人々にも喜ばれるようにと研鑽に研鑽を重る
そして、澪の料理は江戸の人々にも受け入れられていくようになっていくのだった

災害やライバル店の妨害等多くの困難に見舞われる澪
　
　親の代わりでもある元奉公先の女将さん
　店主
　町医者
　客でもある謎のお武家さま
　近所の方々
　幼馴染の花魁
多くの人の手助けと自らの努力により、困難を乗り越えていく澪の姿に勇気づけられました


また、四季の風景とともに描かれる、江戸（上方）の文化・行事も小説に彩りを添えます

傑作・連作時代小説第一弾！

大坂の天災で親をなくし、親の職業の縁で料理屋に奉仕することになった娘が、江戸にでて料理人となる話。

時代小説としては作風が現代風で軽いが、それがかえって料理の視覚を引き立たせている。
サブタイトルの「とろとろ茶碗蒸し」「ほっこり酒粕汁」などタイトルも素敵。
江戸人情も台所事情もよくわかるし、関東者の私でも大坂の台所事情の違いがわかって興味深い。
そして天災で生き別れになった幼馴染との「料理を介しての」再会。
澪はひたむきで努力家なゆえに、いろいろなひとに助けられておばんざいをつくる奉公人から
みごと「店主（料理人としての」となったのだと思う。
NHKの朝ドラなんかでやったら面白いだろうな。

最後にレシピがついているのが、こちらの料理魂に火をつけさせますね。

シリーズ4巻目を帰郷からの帰り電車で読み切り感動して1巻から2、3、5、6巻を購入しました。それも3日で読み終え7巻を購入しておけばよかったと悔やんでます とにかく感涙