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総司 炎(ほむら)の如く (文春文庫)

価格: ¥70
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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つまらなかったです ★☆☆☆☆
 私はこの本を、お金を払って買ったんだから、という義務感で読み終えました。
 登場人物の言葉遣いが同一人なのにちぐはぐだったり、他者の視点への変わり方が唐突だったり、あちこちで違和感があり、物語に引き込まれるほど面白くはありません。購入の前に数ページでもいいから試し読みをしたほうが、後悔がないと思います。

 ただ、この本の沖田は幾度も「人を斬りたい衝動」に駆られていて、その点が非常に珍しいと思いました。何冊か新選組の本を読みましたが、「自分の意思で人を斬りたがる」沖田というのは初めてです。そして沖田が人斬りに積極的なせいか、他の人間が大人しく感じられました。藤堂や土方がなんというかとても美化されていて、特に土方などはもうもう「傷つきやすい」「優しい」「孤独な人間」と連呼されていて、誰ですかこの人、本当に土方ですか?と首を傾げたり、ああこの作者は土方が大好きなんだなあ・・・と物語の後半では食傷気味になりました。
 本のタイトルは沖田ですが、むしろ女性向けな土方が好きな方にお薦めな本だと思います。
天才剣士・沖田総司の青春 ★★★★☆
剣客揃いの新撰組の中にあって、最強といわれた沖田総司の半生を描いた小説。
歴史小説としての背景の描写は極力なくし、あくまで沖田総司の視点から描いている。
剣士として生き、死と背中合わせになるたびに、その剣は達人の域へとのぼりつめていく。
歴史小説的な古い言葉遣いなどもほとんどないので、非情に読みやすく、一気に読める。

それにしても多少の差こそあれ、沖田総司はどの作者に書かせてもだいたい同じ人物像になる。
「病をおって若き天才剣士」という歴史的な共通認識がそうさせるのか、
基本的に無欲で、無垢で政治に興味がなく、ただ剣に生きる人物。
歴史が急変する中で端然と近藤、土方の脇役のみに徹しようとする。

しかし考えてみると新撰組の登場人物はだいたい個性が決まっている。
土方は非情でありながら影があり、近藤のサポート役。
近藤は人徳はあるが、どこか鈍重。
原田は豪放快楽。
斉藤はクール。
永倉は兄貴肌。
藤堂は幼稚で沖田と気が合う。

読者としてはその方が安心するのはもちろんだが。
煌めく光のような、そんな印象を受ける沖田像でした! ★★★★★
私は、非常に沖田総司が好きなのですが、この小説の沖田総司は本当に剣客らしくそして大変に人間としてまっとうに生きたというふうに描かれていると思います。
新撰組の中でそして幕末という揺れ動く時代の中で、己を貫いた一人の最後の侍の一人の輝かしさと哀しさが、心に響きます。
この方の「新選組 藤堂平助」は未読なのですが、熱烈に読んでみたいと思いました。
油小路で若い命を散らせた魁先生も大好きなので、ただこの「総司 炎の如く」で、思ったのですが今まで持っていたイメージとはかなり違う藤堂さんなのでは? と、思いました。
もちろん、この本の中にも油小路の変は出てきます。ネタばれになってしまうので、これ以上書くのは憚れますが、非常に鮮烈なシーンの中のひとつでした。
それにこの話の中のキーパーソンの一人、近藤勇の養子となり後にまた、養子縁組を解消されてしまう谷周平が非常に魅力的でした。(もちろん、他のどの登場人物もたいへん生き生きとして、まるで映画を見たように絵がうかんでくる様な)
本当に、登場人物一人一人がたいへん、魅力的に描かれていてそれでいてすこしづつ今まで持っていたイメージを崩されるというような不思議な感慨を味わいました。
絶対、新撰組お好きな方は読んで損はないと思います。
行数が尽きてしまいそうなので、お一人づつ語るのはやめますがとにもかくにも魅力のある沖田総司をたっぷり堪能させていただいたといのが、正直な感想です!!
本当に、沖田総司ファンには必見です!
沖田総司の物語。 ★★★★★
秋山香乃さんの作品を読むのは、この作品が初めてでしたが、あっという間に読み終わってしまいました。
それくらい読みやすく入りやすく、どんどん惹きこまれていきます。本作では、沖田総司の半生を描いていますが、
総司だけでなく、人物一人一人の気持ちがよく分かる作品です。

例えば、総司がまだ試衛館にいた頃に出会った長州藩士・久保裕次郎。その裕次郎が慕っていた、久坂玄瑞。
芹沢先生にお梅さん。また、隊を脱走した山南さん。彼が土方さんにあてた手紙には、涙しました…。
他にも、近藤勇の養子になった近藤周平、伊東甲子太郎と共に新選組から分離した藤堂平助、そしてもちろん
近藤さんや土方さんなど、周りの人達の心理描写も丁寧に描いているので、敵側の人物であろうと誰も憎めない。
そんな風に感じさせてくれます…。もちろん、主人公である総司の心情もしっかり描かれています。
年相応の、若者らしい総司がいます!

新選組結成を通して、総司が得たものと失ったもの。それでもひたむきに生きようとする姿には感動します…。
沖田総司ファン・必見の青春小説です!

読みやすい! ★★★★☆
まず、文章がとても読みやすいです。ガチガチじゃなくてふんわりって感じで。

新撰組関係の本は、燃えよ剣と新撰組血風録くらいしか読んだことがないのですが、司馬氏の沖田総司とはだいぶ違います。若者らしい沖田総司が見られると思います。

最後の章は、ほんと感動します。彼の「生きたい」と言う意思が、見事に表現されていると思います。

また、彼女の小説を読んでみたいと思いました。