例えば、総司がまだ試衛館にいた頃に出会った長州藩士・久保裕次郎。その裕次郎が慕っていた、久坂玄瑞。
芹沢先生にお梅さん。また、隊を脱走した山南さん。彼が土方さんにあてた手紙には、涙しました…。
他にも、近藤勇の養子になった近藤周平、伊東甲子太郎と共に新選組から分離した藤堂平助、そしてもちろん
近藤さんや土方さんなど、周りの人達の心理描写も丁寧に描いているので、敵側の人物であろうと誰も憎めない。
そんな風に感じさせてくれます…。もちろん、主人公である総司の心情もしっかり描かれています。
年相応の、若者らしい総司がいます!
新選組結成を通して、総司が得たものと失ったもの。それでもひたむきに生きようとする姿には感動します…。
沖田総司ファン・必見の青春小説です!
新撰組関係の本は、燃えよ剣と新撰組血風録くらいしか読んだことがないのですが、司馬氏の沖田総司とはだいぶ違います。若者らしい沖田総司が見られると思います。
最後の章は、ほんと感動します。彼の「生きたい」と言う意思が、見事に表現されていると思います。
また、彼女の小説を読んでみたいと思いました。