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新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)

価格: ¥860
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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新撰組ものの新しい金字塔 ★★★★★
個人的に、今まで読んだ中で新撰組の姿が一番胸に迫ってきた小説だった。

新撰組を扱った小説はたくさんあり、名作が多い。しかし、作品を貶すわけではないけれど、名作の代表格の「燃えよ剣」
はやはり司馬さん世代の価値観で書かれた小説で、今24歳の私が読むと、どうも時代劇を見ているようで入り込めない部分
があったことも確かだった。

その点、この小説は今の私たちにとっての「リアル」な新撰組だと思う。
彼らの思いが現代的に改変されてしまっている、わけではないと思う。新撰組がこれだけどの世代からも愛されるからに
は、彼らの生き方のなかにはいつの時代にも共鳴するものがあって、それがこの小説で新しく生命を吹き込まれていると
言うことだと思いたい。
五百ページを超える大作ではあるが、テンポがいいので途中で惜しくなるほどあっさり読めてしまう。
タイトルどおり一陣の青嵐になって駆け抜けていってしまう新撰組の姿を見るようで、読み終えるのが寂しい気がした。
読んでいるうちに惹きこまれるお話 ★★★★★
 視点がころころ変わるので、最初は読みにくいなあ〜と
思いましたが、それでも先へ読み進めるとどんどん面白く
なり、読後は新選組隊士達がみんな魅力的に見えました。
 過剰な美辞麗句(?)のようなものはなく、淡々として
いるので、読みやすいと思います。
子母澤寛氏へのリスペクトと群衆劇 ★★★★★
新選組のスタンダードは子母澤寛の三部作である。
関係者の証言、告白を集めて、その姿に迫る手法は
1928年の『新選組始末記』に始まる三部作でとられた手法だ。
その表現と新選組をドキュメンタリーのように追いかけるスタイルは、
司馬遼太郎をはじめとして、新選組を描く作品に影響が見られないものはない。

だから、この『幕末の青嵐』の、関係者の視線をあたかも証言のように描く方法を
『女性的』、『噂話』と揶揄するのは当たらないだろう。
新選組を描く上では、このスタイルが子母澤寛にリスペクトしていることが明らかであるからだ。
『壬生義士伝』で浅田次郎氏が吉村貫一郎の姿を浮かびあがらせたのも同じ証言スタイルであった。

きめ細かく心情を追いかけていく点を女性的と言うならあたっているかもしれない。
人は、一つの側面だけで語られるものではない。
どんな人であっても、絶えず悩み、葛藤し、選択していく。
思い込みだけで描く、綺麗ごとの世界だけではその微細な動きを追いかけていくことは、
がさつな文章では描けないからだ。

ここにあるのは群衆劇。
その登場人物たちにはそれぞれ個性があり、
その思いも他の登場人物にはかりえない場合も多い。
しかし、関係者、それも新選組の主要な登場人物の証言というスタイルなので、
組織のリアルな姿を浮かび上がらせることに成功している。
さらに子母澤寛にリスペクトをささげながらも、
証言は主要なメンバーであり、
さらに主軸に佐藤彦五郎を持ってくることによって、より生々しい姿を描きあげることに成功している。
文体はあくまで乾いた、思い込みを排除した俯瞰の姿勢であり、それが心地いい。

惜しむらくは中盤まで証言と作者の視線での文章が交錯していることであるが、
佐藤彦五郎の記憶でしめる見事さでそれはよしとしよう。
佐藤彦五郎をもってくることで、俯瞰した姿勢をさらに確定し、
さわやかな青春と群衆の様子を浮かび上がらせる。
司馬遼太郎が『燃えよ剣』で男の典型を描いたのとは別の傑作であることは間違いない。

星5つをあげよう。
名著 ★★★★★
内容はもとより、書き方が独特のとてもよい作品です。

武士になりたくて、なりたくて、生き方に迷って、迷って、戸惑って。
やっと掴んだ栄光を守るため、時代に抗って。

時代の中で、様々な思想と夢と希望と欲望が入り乱れながら、まだ20代、30代前半の若者が、時代の中で懸命に生きている。
そんな新撰組の姿を描いています。

現代より、あらゆる面ではるかに不自由な時代に、自分たちの力で、信念と夢を信じて生き抜く様は感動です。
言う事なし ★★★★★
短編集。見出しを書こうと思ったのですが、あまりの多さに省略します。
最初、男性の作者と思いました。女性の書かれる新撰組は「異性」を意識して、いかに隊士を美しく描こうという気持ちのある作品が多く見られますが。これは、違う!と、言いきれるほど、良かった!多摩時代から、鳥羽伏見後のところまで、各人の目線で物語が進んでいきます。1人の心情に囚われていないので、色んな視点から”新撰組”という組織を見ることができます。面白いというべきか、1人だけに固まった思想などを読んでいるわけでないので、良き悪き新撰組をこの一冊で読んでしまえるって感じでしょうか。少々金額が高いので、迷いましたが、それなりに満足させられました。