五次方程式に解の公式が存在しないことの理由が知りたいというかなりミーハーな動機から本書を手に取りました。(なので第三章のガロア理論続論は読んでおりません)
この本の第二章までを読むことで、なぜ解の公式が存在しないのかがよく分かったのですが、そのこと以上にガロアの基本定理に到達するまでの体論の構築の方が遥かに美しくおもしろかったです。

一応、この本は群と環の初等的な予備知識を仮定しているので、あらかじめこのシリーズの第一巻か、別の代数系の本を読んでおく必要があるでしょう。私は松村英之「代数学」を以前読んでいたのですが、この本もお薦めです。

あと、この本には「注意」という本文に比べて文字が小さい欄があるのですが、このような細かい部分も大きな定理の証明で暗黙の内に頻繁に使われるので、この欄を飛ばして良いということは全くありません。
普通のガロア理論の本に比べるとわりと薄めの本なので(だから手に取ったのですがw)、書かれていることは全て飛ばすことなく読む必要があるでしょう。