入門書を一通り終えた方が、ドイツ語作文の勉強をする手軽な本です。大分版を重ねた古い本ですが、価値は未だ色褪せていません。特徴は手のひらサイズの小さな本なのに、説明、なによりも作文の解答の解説が親切なことです。１０つの文型を１０課に分け、ひとつの「例文」が掲げられて、文法な解説があり、１課に１０問、本全体で１００問ほどの練習問題があります。

この本の良いところは、解答が詳しいことです。単に正答のドイツ文が掲げられているだけでなく、その問題のドイツ文を作成するさいの文法的な注意や、語彙に対する予備説明がなされていて、それを読むことによってドイツ語の知識が広げられることです（例：《休暇》には、der Urlaub と die Ferien がありますが、前者は主に勤労者の取る休みを、後者はまず学校の休みを意味し、次に国会や劇場などの場合にも使われるものです）。

ページ数の薄い本なので、全部やりとおすのに苦労しないと思えますし、練習問題全１００問に、上に紹介したような詳しい５～６行の解説が加えられているので、ドイツ語初級の足場を固めるのにも最適な一冊であると思われます。