オノ・ヨーコと別居していた「失われた週末」の期間中にLAで制作された本作『Walls and Bridges』(邦題『心の壁、愛の橋』)は、精神的な深さを犠牲にしてナンセンスに走る傾向が強すぎる。どう見てもやりすぎという部分も少なくない。それでも「Whatever Gets You Through the Night(真夜中を突っ走れ)」はエルトン・ジョンとの楽しげな共演が功を奏し、ソロ転向後初のナンバー・ワン・ヒットとなった。
また、「Steel and Glass(鋼のように、ガラスの如く)」、「Going Down on Love(愛を生きぬこう)」、「#9 Dream(夢の夢)」といったトラックの素晴らしさは、天才ジョン・レノンがこの時期にブランディ・アレクサンダースを飲んだくれていた事実を忘れさせてくれる。(Jerry McCulley, Amazon.com)