Love is the answer。ジョンとヨーコが唱えるヌートピアの精神を今一度。こちらは、1973年に発表されたソロ第4弾作品、邦題『ヌートピア宣言』に、主にジョンのヴォーカルを意識しての作業だったという、リミックス&デジタル・リマスタリングを施したニュー・ヴァージョンである。ボーナス・トラックとしてホーム・ヴァージョンと銘打たれた、収録曲の未発表デモ、3タイトルを収録しているが、楽曲成立へのプロセスが見えるだけでなく、ジョンをリアルに感じることもでき、とても感慨深いトラックとなっている。(春野丸緒)
何度聞いても飽きません
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ジョンの他のソロアルバムと比較すると一見地味な印象だけど、このアルバムは私の一番好きなジョンのソロアルバムです。まずジョン独特な浮遊感、透明感が抜群に表現されていて、評論家の分析などは問題なく、本当の意味でのジョンファンを感覚的に満足させてくれるアルバムだと思います。捨てる曲、やっつけ仕事的な曲が1曲も無いのも素晴らしいです。私は15年以上もヘビロテで聞いていますが未だに何度聞いても癒されるし、全く飽きが来ないところは作品が本物の証拠だと思います。
ジョンのポップ・アルバムの名作
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このアルバムは彼のアルバムの中でも、かなり穏やかな大人向けの作品だと思います。
ポップシンガーとしては、ビートルズ以来最高の作品ではないでしょうか。
まず各曲がレベルが高く、捨て曲がありません。ボーカルもいつもどおりカッコイイ。
そして演奏・アレンジの充実ぶり。
セルフプロデュースということで、NYの一流セッションマン中心のバンドに
アレンジも任せたのだと思いますが、これが功を奏したのでしょう。
影の功労者はベースのゴードン・エドワーズです。
主旋律の裏側で、ボーカルを支えるメロディアスなベースライン。
抑え目の演奏ながら、彼のベースが的確に、歌に彩りを添え、
アルバム全体のアレンジレベルをぐっと持ち上げています。
彼は、この後「スタッフ」のリーダーとしても活躍していきました。
ベース以外にも、ギターのデヴィッド・スピノザのプレイも渋いです。
あまり語られることがありませんが、ジョンとヨーコにとって
よい音楽的な出会いであったようです。
ジョンの珠玉の小作品集
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紙ジャケットの帯を見ると昔のレコードそのままで、懐かしいです。
レンタルもない当時、1枚1枚少ないこずかいをはたいて、ジョンのアルバムをそろえていきました。
ビートルズの心地よさに慣れていた私には、がらっと変わったソロのジョンの難解さに戸惑っていました。
でも年月を経て今では、彼の作品群はどんな時代になっても消えないオリジナリティーを持った傑作だと実感しています。
マインドゲームスは、少しビートルズのジョンを連想させる珠玉の小作品集というイメージです。
特に「アイ ノウ」が好きです。リミックスで音も良くなったCDで、今でも毎日のように聴いています。
ジョンソロ最高傑作です!
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ジョンのアルバム中、ダントツによい曲、よいアレンジ、よいボーカルが詰まっとります。僕はビートルとことんポールな人間ですが、ビートルズメンバーのソロアルバムの中では一番がポールの「ラム」、二番がこれ、ちなみに三番が「ジョンの魂」です。
1973年発表のジョンの傑作アルバム
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このアルバムはイマジンや魂に比べるとセールスが伸びなかったせいか一般的な評価は低く、失敗作とまで言い切る人もいるが、その評価は間違っていると思う。このアルバムにはビッグヒットシングル曲は入ってないが、アルバム全体の完成度で考えれば、いい曲とよくない曲が交互に収録されているイマジンや心の壁よりも、捨て曲のないこの「ヌートピア宣言」の方が完成度が高いと思う。 シングルになった「マインドゲームス」はジョンのソロ曲の中ではベスト5に入る傑作で、中3の時に初めて聞いた時に涙が出そうになるくらい美しく高揚感のあるメロディーに感動した。「ワンデイ」の甘く美しいバラードもそれまでのジョンにはなかった世界だし、「あいすいません」のシリアスなムード、B面の1曲目の軽快なリズムやアイガッタフィーリンのギターリフを引用した「アイノウ」などはベスト盤に収録されることはないが、ビートルズのファンを納得させる良曲だと思う。1973年といえばポールがレッドローズ、ジョージがマテリアルワールド、リンゴがリンゴを発表し、ビートルメンバー全員がソロアルバムを出した年だった。この中で意外にもジョンのこの作品が最も陽のあたらない作品になってしまったが、僕にとっては永遠の愛聴盤になっている。音がクリアになったこのリマスター盤を天国にいるジョンは満足しているにちがいない。