フライパンで焼いたら大変なことが起こりました。「つみつみ」と積み木に言われ、頭に何かが積まれてしまうからです。そんなある訳ないことが、次々に起こっていきます。例えば、飛行機が４つ積まれていたりして。「特別大きく描くからよく見てね。」そんな長さんの語りかけがとてもユニークです。

絵と物語が相乗効果をかもし出し、積み木をめぐる物語はタイトルに象徴される結果に落ち着きます。何もかもがちょっとずれているのに、どんどん進むストーリーの面白さに大人の私も惹かれました。最後に「ぼく」が猫のちいを抱きしめる姿はとても可愛らしい。積み木の起こした騒動の後に、心が温かくなった印象的な場面でした。積み木遊びをしているお子さんから、小学校低学年のお子さんが対象かも知れませんが、大人の私も大好きな一冊です。

本には積木が登場してきます。積木と主人公の男の子とパパとネコの不思議な物語です。積木なのでタイトルの「つみつみ」がキーワードになっています。 子供の頃は、この本を読みながら笑っていたか記憶がありません。でも、今読み返すと、どうしてもくすっと微笑んでしまいます。私は疲れている時に読むとリラックスする感じがします(俗に言う癒し系)。

この本では挿絵は話の内容の情景ではなく、そのストーリーそのものです。この挿絵には子供の頃心惹かれましたが、今見ても古びたところは感じません。 私のおすすめの絵本です。