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神苦楽島〈上〉

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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浅見光彦をプレイボーイにしてあげて ★★★★☆
強引な辻褄あわせやご都合主義的推理トリックがなく数多ある作品の全てが一定の水準を保っているのは
とても凄いことだと思います 
(浅見光彦の兄が警察庁刑事局長という設定はまあそれくらいはいいじゃないですか)
各地の風景や風俗を巧みに取り入れて破綻なく読ませるその手腕には本当に感嘆させられます 
陰惨なシーンを執拗に描くような手法は取らず、時々の社会問題を作品に取り入れながら、
説教臭くなく主人公に持論を語らせる手法も嫌味がなく
誰にでも薦められる素晴らしい作家だと思います 

と、褒めてばかりになってしまいましたが、そんなことを書きたかったのではありません 
浅見光彦は爽やかな好青年で、しかもハンサムであると 
そんな彼がほとんどの事件でかかわりを持った美女と行動をともにすることになる 
そしてほとんどすべての場合彼女達は浅見光彦に好意以上の感情を抱くことになる 
にもかかわらず
いい年をした男が何もしないか、キスどまりというのはいくらなんでも失笑してしまいます 
女性読者を意識してのことなんでしょうか?
いくらなんでもそれはないだろうと、極端に言えばその一点でこのシリーズが軽く見られてしまっているような気がします 
内容は素晴らしいのに、本格ミステリー扱いされないのは、何となく軽く扱われてしまうのは
その軽快な文章ではなく、ハードボイルドとは程遠い浅見光彦のありえない晩熟の設定にあるといえると思うのです 
いい年こいてそんな男はいねえよと
ファンである自分でさえも鼻であしらいたくなるときがあります 

デビューが遅かった内田康夫さんももう30周年を迎えられたそうです 
浅見光彦ももう男にしてあげたらいかがでしょう 
一期一会で多くの女性と関係をもったところで作品の魅力は落ちるどころか
輝きを増すのではないでしょうか 
 
モテル男は女と楽しいときを上手に過ごし、いい思い出を相手に残すものです 
浅見光彦には十二分にその才能があるじゃないですか 
上品なプレイボーイの素質がある浅見光彦がその素質に応じた扱いをしていただけることを願っています 
東京秋葉原で光彦が遭遇した女性の死、日本国誕生の地へと展開する ★★★★☆
いつもながら、浅見光彦は純粋でシャイなそして男らしい一面を発揮している。最近多い社会問題と歴史史実を融合させた作品ですが、「太陽の道」と事件当地の風習、それに起因する展開は楽しめました。
光彦とかかわる女性も魅力的でした。