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ベルクソン~人は過去の奴隷なのだろうか (シリーズ・哲学のエッセンス)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: NHK出版
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ベルクソン入門には最適 ★★★★☆
なによりも良いのは、ベルクソン思想の矛盾点に触れているところ。かなり翻訳の原本を読んでも、そこをなかなか明確に掴めない。純粋持続は芸術創作と深く係わっており、その点に言及はほとんどなく、一般論風に書かれているのは、啓蒙書とは言え、物足りない。副題に「過去の奴隷」とあるが、ベルクソンの思想の真髄は前向き思考なのだから、あまり過去にこだわるのはどうかと思う。特に興味深かったのは最後に、ベルクソン思想が人間個体を超えている点にふれている点。
身体と情報について考えるための必読書 ★★★★★
ベルクソンの主著『時間と自由』『物質と記憶』『創造的進化』『道徳と宗教の二源泉』のうち、『道徳〜』以外の3冊にて表明されたベルクソンの問題意識の、とてもわかりやすい解説本である。

内容は、たとえば以下のような感じである。

・「時間はつねに空間的な考え方に浸食されている。二週間前から今までの時間と、今から二週間後の時間は、数直線上では同じだが、人間はそうやって空間的に時間を把握することをなかなかやめられない」

・「記憶は脳の中にあるとは限らない。知覚を把握する機能は確かに脳の中に局在するようだが、だからといって記憶がすべて脳の中につまっていると考えるのは早計だ」

・「記憶は劣化した知覚ではない。知覚は習慣化すると、行為の簡略化のために知覚それ自身を省略しにかかる。そして知覚はほとんど無化され、人は過去に溺れる。しかし、それでも人間が“現在”に生きることはできるのか」

などなど。このような現代に置いても刺激的な、しかしいくぶんその真意がくみ取りにくいベルクソンの提言が、金森氏による巧みな咀嚼によって、わかりやすく理解できるようになっている。

『道徳と宗教の二源泉』に関する考察がすっぽり抜け落ちているのはすこし残念だが、それでも、身体から始まる知覚・時間・記憶の認識について、常日頃から疑問に思い、考えている人にとっては、かなり面白いベルクソン入門書になっているのではないか、と感じた。

個人的には、ベルクソンは「現代におけるヴァーチャル・リアリティ」の問題に取り組んだ先駆的な人物のように思われる。ギブソンのアフォーダンス理論、ユクスキュルの環世界論、西垣透の基礎情報学、などと、問題意識の相性がかなり良さそうに思えた。また、知覚の場所について本格的に論じた中村雄二郎『共通感覚論』を理解するためには、この『物質と記憶』を読むことが必須となるだろう。
一部でも知ることができて満足 ★★★★★
時間、知覚、記憶、これらをテーマに、ベルクソンが、どのように考えたか、を解説したものです。主に「時間と自由」「物質と記憶」という本に書かれている内容の解説だそうです。

ベルクソンの本からの引用は、かなり少なめ。やさしく(?)噛み砕いて説明してある部分が大半です。読者に話しかけるように、そしてCOOLではないけど、許せるユーモアを交えながら、書かれています。豊富に「日常での実例」があり、理解を助けます。

門外漢です。ベルクソンの言っていること、筆者の言っていることを、完全に理解は、できませんでした。ところどころWHY?という部分も残ってます。しかし、一部でも知ることができて、良かった、世界が広がった(?)かな?という印象です。ちょっと世界の見方が変わったかな?また、考えるヒントや糸口をもらった気がします。

巻末の参考文献も参考になりました。

個人的には、筆者の文体と内容に「ハマリ」ました。終わるのが惜しい本でした。もう少し分量が欲しかったです。

したがって著者の労は推察するに余りある ★★★★☆
「難解なベルクソン哲学を読み解く」とあったことから、『時間と自由』『物質と記憶』『創造的進化』を通底する、ベルクソン哲学の「エッセンス」を描き出そうとしているのかと思ったが、実際の作者の意図はそこにはなく、あくまで入門のためのきっかけを与えることにあるようである。しかし、ベルクソンの入門書を探すのならば、中央公論社の『世界の名著』に収められたベルクソン自身による小編に直接当たれ、と長く言われてきているので、本書の中では氏のオリジナルな視点を出してもよかったのではないか。ただこの分量ではないものねだりか。
読者のターゲットが合えばおすすめ ★★★★★
~自分は今30歳。大学で美術史をやっていたので、哲学もかじっていた。当然、多くの人がそうであるように当時の自分はそうした文献に「自分なりに真剣」かつ「こんなの読んでたらカッコいい」という態度で接していた。で、現在は全く違う関係の仕事をしている。よくある話。で、そんな環境の違うところなのに、どうしたって学生の頃の思考回路が幅を利かせていて~~、よく言えば「肥やし」になっているのだが、またああいうメタ(笑)なものをゆっくり考え直したいなあ、と現実逃避の材料になってたりする。
~~
・・・というような方々におすすめ。夕食の後にちょっとお酒でも飲みながら、っていう時間1日分でよめる分量。現実の生活に負担をかけず、学生気分にもどれます。でもそれだけで星5つってわけではないですよ。内容もいいし、なにより著者の顔がはっきり浮かぶ文章。僕はそういうの好きです。~