名著の名訳
★★★★★
本文の前にプラトンとソクラテスの生い立ちや当時の歴史的・政治的背景が紹介されているので、
なぜ「ソクラテスの弁明」というタイトルなのかを踏まえた上で本編に入れるようになっており
私のような素人にとっては大変ありがたい構成です。
また、とても翻訳されたものだとは思えないほど訳文がやわらかく読みやすいです。
哲学は難しそうと敬遠されていた方も安心して手に取れる一冊です。
良訳
★★★★☆
様々な翻訳の出ている『ソクラテスの弁明』だが、
これは最も良心的で読みやすく、的確な訳文である。
注の量なども適度であり、初めて手に取るならオススメの訳である。
ソクラテス四大福音書の一つ
★★★★★
原始仏典とプラトンのものを読み比べると分かるが釈迦は非常に合理的な哲学者でありプラトンは神秘主義的宗教家であった事が見て取れる。プラトン自身がキリスト教の浸透まで哲学が具現化した神であるとされソクラテスと並んでキリスト教の聖人とされた時期もあった。ピタゴラスの定理で有名なピタゴラスは数を聖なるものとするピタゴラス教団の開祖、プラトンのアカデメイアは異端宗教としてキリスト教に閉鎖され哲学化の道を歩む。一方仏教はインドの聖者崇拝の習慣の中に釈迦が位置づけられ宗教化の道を歩み出すのである。これは基礎として面白い。
哲学書を読んだことがなくても面白く読めました
★★★★★
全編でソクラテスが誰かと問答するのですが、ソクラテスの話の内容と話し方が驚きに満ちているのです。考えるということについて考えさせられます。また、しゃべりが長いのに、無駄なせりふが一言もない!!プラトンの創作故でしょうか、或いは本当にこういう神業のようなレクチャーをしてたのでしょうか。。翻訳が大変読みやすく文庫としては字が大きめなのも良いです。
現代に蘇った知恵
★★★★☆
言わずもがな、本書は2000年以上前の人間が考えた事柄の記録である。しかし、書物の名と、登場人物を現代風に書き換えるなら、誰が本書を古典だと看破できよう!彼等の命題は、今日でも解明されず、我々を悩ませる。しかし、本書を読むことで、問題点が明らかになり、思考する出発点となるのだ。人生は冒険活劇に満ちた旅である。そして、本書が、その羅針盤となるだろう。