老若男女問わず読んでほしい一冊
★★★★★
本書は現巨人軍監督原辰徳監督による自伝です。
表題の通り、内容は原監督の原点である両親の事から、東海大相模での経験など、
原辰徳という人物の人格がどうやって形成され、そしてそれが今に活きているか、という内容です。
原監督曰く、自分ひとりでは決してここまで来れなかったと、そう語ります。
人生というものは、自分一人の力で活躍できる自動的ものではなく、周りの助けがあって初めて成功する他動的なもの、
だから今まで出会ってきた人は職種年齢関係なく尊敬する。という原監督の謙虚さは鳥肌が立つほどカッコいいです。
球団を3年連続リーグ優勝に導き、WBCで世界一をもぎ取ったその手腕は本物だと本書を読んだことで再確認しました。
勝ち続けるための組織作りや若手育成の独自の理論は経営組織論に通じるところがあるので、組織論に興味がある方にもオススメできるし、
原辰徳ファンなら彼の波乱万丈の人生を彼の視点で楽しめるし、加えて選手育成=子育てに通じる所があるので子供をもつ親にもオススメできます。
読む年齢によって感じ方が違うと思うので、若い頃に読んで大人になってまた読み返すのもまた一興かな、と思います。
巨人ファンでなくとも是非読んでほしい。そんな一冊です。
父に憧れ、父に学び、父を感涙させる、人間力こそ原点
★★★★☆
一番驚いたのは
とても読みやすく
するりと心に沁みこむ文章だったこと。
前を見つめ続ける姿勢もさることながら、
これほどわかりやすく話しかけられれば、
選手のモチベーションも上がり、チームも
強くなって当然だ、と大いにうなずけました。
原さんが巨人の監督を続ける限り
毎年優勝争いをするのは間違いなさそうです。
他ファンからの視点
★★★☆☆
巨人ファンではありませんが興味を持って読んでみました。
自分は曹操でありたい、というところが面白かったですね。
原監督はどちらかといえば劉備のイメージの方が強かったのですが、
なるほど巨人というチームの指導者は曹操の方が合います。
他の方が触れられているように巨人というチームは資金力と、そこから来る
戦力において他チームとは明確な差があります。
その是非は置いて、原監督は強いチームで監督するのに向いた思考を
長い時間をかけ培ってきたのでしょう。
その結果が09年の、オールスターが揃ったWBC優勝にも繋がったのだと思います。
恐らくは原監督はペナントにおいて巨人以外のチームで監督をすることは
これからもないでしょうから、適材適所というか、巨人というチームにおいて
監督をするならば、かなり効果的な指導をなされているなという印象です。
「采配で勝てる試合は多い」というところを読むと、弱いチームを渡り歩いてきた
前楽天監督の野村さんとは逆のことを仰られていて、非常に興味深いものがあります。
また故・木村コーチについて触れられている段があり、また生前の氏が
この本の発行に際してコメントも寄せています。
原監督は本当に木村さんに感謝と期待をしていたのだな、と思い、
それだけに突然の死は痛恨だったのだなと気づかされました。
巨人ファンの方ならば評価はさらに☆+1〜2だと思います。
原監督・今のジャイアンツを知る事ができた
★★★☆☆
WBCで我々日本人に勇気を与え、プロ野球界において巨人軍に、前楽天監督野村氏が言う所の「無形の力」を蘇らせつつある原監督自身によって書かれた1冊
本書の中で自己犠牲の大切さと自立の精神の大切さを何度と無く説き、強い集団とはこういうものなのだな、と教えてくれる1冊
ただ、この考え方だけでジャイアンツが強い訳ではないし、他の球団がこういった考え方をしていないから弱い訳でもない
原監督が与えられた環境は、あまりにも特別だ(中日の選手や松井選手等一部例外はあるが、日本人プロ野球選手の中から自分が力が有ると信じる選手のみを集められたWBCでの監督や、前年最多安打を記録した他球団の4番やエース・クローザーを母体企業の力を使って集める事が出きるジャイアンツの監督)
これらの土俵の上に立った著者の実績を、その他の監督達と比べ評価するのは少し違う気もする(もちろん素晴しい結果を残している事に間違いは無い)
いずれにせよ今現在、国内で最も強い球団の監督の考え方や方針が非常に分かり易く書かれており、野球に興味の有る方にはお勧め出来る1冊と言えるだろう
(WBCでチームに参加しなかった選手について書かれている所や、1度目の監督の退任について書かれている所はその他の所と違って、原監督の人間らしい一面が覗けた気がする
こういった部分がもう少し多くても良かった気がするが、これはちょっと俗っぽいリクエストだろうか?)
正攻法!
★★★★★
真っ直ぐのストレート、そんな人生観が伝わってきます。現役時代に花はありましたが、成功したわけではない。しかし指導者としての実力は現在はピカイチだと思います。もちろん最初からそうだったわけではありません。
本書では著者の正直な気持ち、信念がダイレクトに伝わってきます。人生の方法論としても読み込める出来上がりです。