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ぶらんこ乗り (新潮文庫)

価格: ¥546
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
独特の世界に吸い込まれます ★★★★★
僕はこの本を
夏休みの課題である
読者感想文を書くために
購入しました

まず表紙に
惹かれました

実際に読んでみると
時間が過ぎるのを忘れ
二時間ぐらいで
読みおわってしまいました

あまり言い過ぎると
ネタバレになるので
抑え目に(笑)

終わりの方は
涙が止まりませんでした
とても悲しいのに
何処か暖かくて
優しい気持ちで
読めました

かなりオススメです
「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」 ★★★★★
「もういない、わたしの弟」が、書いたノートが
麻の袋に入って出てきた。

彼が、4歳でノートをもらってから書かれ始めたそのノートには、
彼が当時語らなかったことがすべて残されていた。

彼がその出来事をどのように感じていたのか、捉えていたのか。

「私」は、そのノートを読むことで知ることになる。

当時は知らなかったことをすべて。

4歳の彼が書き始めたノートに書かれているのはひらがなだけだが、
「太字の黒ペンを使ってていねいに」書かれていて、
「字のまちがいはほとんどみあたらない」のである。

彼は「はなしをきくのがうまく」て、
「私がきいたこともないことばや知識を、
形のいい頭のなかにてんこもりで仕入れ」、
そして、お話をつくるようになる。

ノートには、彼がつくったお話が全部残っている。

彼は、6歳で不慮の事故に遭い、声を発することができなくなる。

それ以来、ノートに書かれるお話の質は変わっていく。

弟のお話の中で、本編の中で3度、解説も入れれば4度も引用される部分がある。

「手をにぎろう!」という、弟が事故に遭う前に書いたお話の一部である。

ここでは、さらに地の文をはずして、セリフ部分だけを引用してみる。

これだけでも、強烈な印象を残すのだ。

  「わたしたちはずっと手をにぎってることはできませんのね」

  「ぶらんこのりだからな」

  「ずっとゆれているのがうんめいさ。けどどうだい、すこしでもこうして」

  「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」

このおはなしがつくられた日、家族はサーカスに行っている。

彼は、サーカスに行く前から「サーカスは、この世のはてにたっている」、
「この世とあっちがわとのあいだでゆらゆらとゆれている、くうちゅうぶらんこ」
といったイメージを持っていた。

  サーカスは思ったとおりだった。

  あっちがわとこの世の、ちょうどあいだにある。

  ぼくはなんどもあっちがわにひっぱられそうになった。

  でもずっとおねえちゃんがみていてくれた。

  ぼくにはちゃんとうしろからロープがついていたんだ。

  だからあんしん。

  あんしんしてみるサーカスはひりひりとして、ほんとどきどきだった。

タイトルの『ぶらんこ乗り』は、
サーカスを見た後からぶらんこにのめり込み、
誰よりもぶらんこがうまくなり、
そして、事故の後は、ほとんどをぶらんこの上で過ごすようになった
弟のことを、一義的には指しているだろう。

だが、それだけではない。

誰もがひとりきりで、
それぞれのぶらんこに乗っている存在なのかもしれない。

もしも、それぞれのぶらんこが止まったまんまだったら、
生きては行かれないように思う。

同じぶらんこにふたりで座って、
生涯手をにぎりあっていることはできない。

だが、ぶらんこをゆらして、
ほんの一瞬でも誰かとつながれることが信じられるのなら、
ぶらんこに乗るのはひとりきりでも生きていかれる。

「わかるものじゃないから、わからなくてもいいが、
受け止めなくっちゃならないもの」がある。

でも、それを受け止めるためには、
「信じられる物語」が必要なことがある。

本書は、そんな物語の力を教えてくれた。
そうすれば動物はいなくなったかもしれないのに ★★★★☆
 頭がよくていい意味でも悪い意味でも常に周りのことを気にしている弟。その弟を見つめる心やさしい姉の視点からこの物語は語られていく。両親とおばあさんと弟と姉の五人の心温まる生活も弟の声が異常になる奇病から始まりだんだん変って行ってしまう。しかしそれでも弟はその賢さを生かしどこかユニークな方法で乗り切ろうとするのがけなげで読んでいる人々を魅了するに違いないだろう。
合わなかった ★★★☆☆
作中作である「弟が子供の頃描いたお話」の数々を
「あー嘘っぽい、背中が痒い」と思ってしまう感性の私には、
この本は合いませんでした。

主人公の女の子の一人称で物語が進みますが、何かその文体にもひっかかるし。

全体的にぬるい。ゆるい。
そんな感じでした。


ただし読んでて不快になる事も無かったんで、この評価。
表紙やタイトルが良すぎたのか…。
ちょっとこれ、読んでみて ★★★★★

読み終わった後、ものすごく誰かにおススメしたくなりました。
この物語の感想をうまいこと言葉に表せない自分がもどかしい…!
心に響く、物語でした。

「弟」の作り話が、とにかくすごい。
「空中ぶらんこの原理」で一気に惹きつけられ、
「手をにぎろう!」「おばけのなみだ」「ローリング」など
あとからあとから出てくる素敵な作り話の数々にすっかり夢中になってしまいました。

そして、弟の作った最後のおはなし。
思いやりにあふれた、最後にして最大の作り話です。
弟は本当に天使みたいな子だなって、思いました。

「こちら側」と「あちら側」をいったりきたりするのこの物語を読んでいると、
「あちら側」が私にも見えてくる気がします。
まさに、作り話の天才。
『ぶらんこ乗り』って題名も、うまいなぁ……。
いしいしんじさんのすごさを思い知った一冊でした。