食事を通して知る新しい消費者像
★★★☆☆
無作為に選んだ家庭の食事事情との事です。無作為というものの、どんな家庭なのかについては詳しく読み下していないのですが、コンビニやスーパーでの消費者の姿と重なる事が多いです。
家庭の食事は家族団らんの基本だろうと常々思いますが、、私の考える家庭の姿とは大きく違い驚きます。
料理が苦手な主婦が◯◯の素を使うならまだしも「皿を洗うのが面倒なので、、云々」となると驚きを通り越して悲しい気にもなります。
勿論、食事のあり方の資料になりますが、それだけでは無く、この本の内容から色々な生活スタイルが透けて見える事も面白いと思います。私の場合はある種のマーケティング資料として読ませて頂きました。
写真に静かな迫力
★★★★★
考えさせられる。この調査に協力して我が家の食卓の写真が掲載され、コメントがつけられた家庭はどのように感じているか。著者はかなり大胆に家庭の問題点を指摘している。しかし、よく考えてみると、どの家庭でも他人事ではないはずである。食育がクローズアップされ、その大切さはよく理解していても、毎日の生活は理想ばかりでない現実問題である。簡単に調理済み食品が手に入り、外食も一般的な現在、家庭の食は大きく変化している。そして、食の変化は単に食卓周辺の変化でなく、生活全体に対する価値観の大きな変化であることをこの本は考えさせてくれる。私の家族だって同じ・・・そう思って読むべき本。
食卓から見える日本の社会、今も未来も怖い!
★★★★★
食卓から家族の在り方を見つめた前作「変わる家族 変わる食卓」は衝撃的だった。
食に無関心で怠惰で、自分勝手で無責任で人任せな主婦の姿に唖然とした。
それから7年を経て家族はどう変わったか。
マーケッターによる調査に基づくリアルな社会のレポートだ。
調査を続けたことによってますますバラバラになっていく家族の姿が浮き彫りにされ暗澹としてくる。
相変わらず事前アンケートへの回答と現実のギャップの激しさに本人も気づかず説得力のない言い訳が並ぶ。あまりにもあけすけな調査結果にもう少し見栄を張るくらいの根性もないのかと、その正直さに苦笑してしまう。
そして家族の意味や親の責任、子供への愛情のかけ方について考えさせられ、生き物として食べることが大切でないという価値観には疑問を感じる。
食器が売れなくなってきた理由がこの食DRIVEから明かされるというのもすごい。
この本には274枚の食卓写真が掲載されており、それはそれはすごい。
まともな食卓もあったが、面白くないから掲載されなかったのだ。きっと。
反面教師的に「きちんとしなくては」という気持ちにさせられる。
サブタイトルに「喜劇」とあるが、悲劇を通り越して笑い飛ばすしかないという心境に至るのも無理はない。
戦場の報道写真より恐ろしい
★★★★★
最初は、わざと衝撃的な食卓の写真を集めたのかと思って、
野次馬気分で見始めましたが、
序章の「調査初日VS最終日」での食事内容の大幅レベルダウンを見て、
本音や実情は隠しても隠し切れないんだなあと思いました。
本書では言及されていませんでしたが、お箸すらちゃんと並べないで写真に撮る家や、
バラバラのお箸(箸Aの片割れと箸Bの片割れ、2本で1膳とする)を使う家がある
ということも、私にとっては大きな衝撃でした。
普段なら、面白い本を読むと知人に紹介して感想を話し合ったりするのですが、
「もし、この人の家の食卓がこんなふうだったら…」と思うと、怖くて言い出せません。
すくなくとも、「個」が行き着くところまで行ってしまった究極の姿がここに見られる。
★★★★☆
のっけから驚くべき食卓の写真がいくつも並べて掲載されている。
これが、今のこの国の程度標準よりある程度上の家庭の食卓の風景であるという。
一昔前の、サザエさんに見られるような、一家そろって食卓を囲むという風景は幻想であるのは間違いない。
これを、悲しむべき現象と見るのか、あるいは時代の流れとみるのか、すべて読者にゆだねられている。ただ、これを読んだ読者にも、少しはここにみられる食事の経験があるのではないだろうか。
すくなくとも、「個」が行き着くところまで行ってしまった究極の姿がここに見られる。