この韓非の人に対する考え方は、人の美徳を追い求める儒家の思想の対極に位置し、「愛」とか「義」という言葉が広く行きわたっている現代においても、容易には受け入れられない考え方だと思います。しかし、この韓非の冷徹な現実主義の精神は、法律と刑罰のことだけではなく、人間とは何か?という問いを現代人に投げかけているようにも感じます。
マキアベリやホッブスといった西洋の政治・法家思想よりも1500年以上も前に存在し、漢の武帝、蜀の諸葛孔明も見習った韓非の思想、是非一読をお勧めします。