日本酒の通史
★★★☆☆
日本酒の歴史について様々な角度から語った一冊。日本酒の起源、古代の日本酒はどんな味だったのか、居酒屋の成立、酒器について、江戸の酒飲み競争など、興味深い話題が手際よくまとめられている良書。
ただ、小泉氏の他の著作に比べると、いささか物足りないようにも感じた。性格的に学術的な本を書くのには向いていないのではないか。本書でも日本酒の起源などについて、独自の説がいくつか述べられているが、読んでいてあまり納得できるものではなかった。もっと珍しい食べ物とか変わった酒を肩の力を抜いて書いた本のが面白いし、資料的にも貴重だと思う。