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男色(なんしょく)の景色―いはねばこそあれ

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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Interesting book, but ・・・ ★☆☆☆☆
かつて雑誌に連載された何らかの点で「男色」に関聨した論攷を集めた本である。
しかし、飛んでもない間違いを平気で書いて憚らない箇所もあるので、読者を誤解させてしまう可能性は極めて大きい。
そういう意味で「危険な書物である」と言える。
一例を挙げるとならば、131ページに、-----「阿豆那比之罪」については、国学者・岡部東平の考察によって、男色の罪であることがあきらかにされている。------だなどと平然と記載されている。
この徳川時代の国学者の考察が、現代では何ら正しいと認められていないことは、今さら言うまでもなかろう。
まともな『日本紀』の注釈であれば、「阿豆那比之罪が何を意味するかは、諸説あって明らかではない」といった文言が明記されている筈だ。
その程度の知識もなく、こういった文章を平気で書ける不勉強さは、読者をして誤らせるので厳に慎んで貰いたい。
本書を読まれる方々にも、よくよく注意して頂きたいものである。
せっかく興味深いトピックを扱っていながら、きわめて遺憾な限りだ。
著者の猛省を促す次第である。
日本の男色史概説として出色、BLファンにも必読の一冊 ★★★★★
日本の男色については、最近では氏家幹人、ちょっと前では白洲正子、もっと昔では南方熊楠、岩田準一らの研究が知られているが、本書はそうした先人の学問を、万葉集から、最近ではゲイ雑誌に掲載された三島由紀夫まで、概観したもの。男色史としても読める。

驚くべきは、図像学的に琳派の絵画を男色の観点から読み直す章。これには参った。文学、武士道の世界では男色の知識が不可欠であるが、今や浮世絵や、版画や、屏風絵を見るときにも、男色的な観点から見直す必要があるのかもしれない。

男色が、いかに日本文化のひとつの側面として、不可欠なものであるか、思い知らされる、学問的にも、BLとは何かを考える上でも重要な本。

偏見の無い読者には一読を勧める。最初の章が苦手なら、飛ばして最後の章あたりから読むこと。
『伊豆の踊子』の“私”と兄が怪しい! ★★★★★
 著者は「景色」を外から眺めているに過ぎない。批判ではなく、事実。しかしながら、秀逸な視点ばかり。

 特に最後の章に書かれた川端文学および日本映画の金字塔でもある「伊豆の踊子」の“さぶ”テクストをこれだけオープンにして「ヰタ・セクスアリス」的な「少年」との関連も一気に書いてしまっています。すごい、のひと言しかありません。上品な楷書の文学だと思っていたものが、実は五月女ケイ子のイラストだった的な衝撃です!