思考停止!のススメ
★★☆☆☆
成果主義、360評価、ボトムアップなどの最近の人材マネジメント手法を批判する内容。
批判の内容自体は理解できるが、あまりにも表層的であり、それに対するソリューション
や提案もほぼ書かれていない。
書かれているのは、高度経済成長を支えた年功序列にもどろうよということばかり。
しかし、あたり前だが高度経済成長という時代にマッチしたのが年功序列だったという
だけであり、年功序列に戻せば高度経済成長するということではないはず。
常に時代や個別の会社の業態・文化にあった制度であるからこそ人事制度などは機能する
はずなのに、マッチした仕組みや制度を試行錯誤することを諦めて、ただ単に「昔に戻そうよ」
だけでは、ただの思考停止にしか感じられない。
当然、著者はこういった批判が出るのはわかった上で敢えて挑発的に書いているのだと
思うが、コンサルタントがこのようなものを書くのはいただけないと感じられる内容だった。
自分が常にトップだと思って
★★★★★
常に自分がトップだと思って仕事をする以外に、解決の糸口はないと感じた。
誰が駄目だ、彼が駄目だという後ろ向きの発想では、新たな道は広がらない。
制度をころころ変えるのは、辛抱のない人達を辞めさせるための機会だと前向きに捉えるのはどうだろう。
そうでなければ、自分が会社を辞めるためのよい機会なのかもしれない。
書かれていることは参考にさせていただきます。
なにはともあれ、自分とその身の回りは、毎日、前向きに行こう。
360度評価、成果主義。ホント、人事や組織論は難しい。
★★★☆☆
前作の「御社の営業がダメな理由」に比べると、物足りなさを感じるが、読み物としては面白い一冊。
バブル以降に導入された「成果主義」、「360度評価」などについての問題点の指摘や考察には、非常に示唆に富むものが多いのだが、少し食傷気味になったのも事実。もう少し、問題解決に向けた提案にページ数をさいても良いのでは。
実際に、著者がサラリーマン時代に経験した「360度評価」で得た同僚からの「成績が良いだけで、人間としての総合力が低い」という評価のくだりが、日本社会の縮図をみているようで面白い。
確かに、私の会社でも、部下や同僚からの評価は参考意見としてのみ採用されており、単なる、あら探しと嫉妬心のはけ口にしか利用されていない感じがする。成果主義にしても、数字に反映されない(できない)業務も多く、それを無理矢理数値化しているから滑稽なことになっている。
新鮮な切り口で、意外とおもしろかった
★★★★☆
(日本的)「成果主義」「実力主義」を批評した本は
たくさんあります。でも、本書が類書と違うのは、日本的経営を壊して
導入した米国式な組織手法(習慣?)「フラット型組織」「ボトムアップ」
「民主主義的経営戦略」「360度評価制度」、さらに果ては「オフィス
レイアウト」に至る、さまざまな手法を「会社組織に忍び込む(悪性)ウイルス」
として、それぞれを批評しているということです。人事評価制度だけを
とりあげるのではなく、さまざまな観点から、「現実の会社組織では、
こういう政治力学、日本的派閥競争がミックスされて弊害を起こして
いるんだろうなあ」という論点は、結構、読んでいて、新鮮な印象です。
全部が全部、現実にあったり、著者が体験したことから導かれた結論
なのかどうかは、本書では検証のしようもないですが、しかし、
実際にありそうな、複雑な人間組織の模様をうまく描写しながら、
やっぱり、「どっちにしても、うまくいっていない仕組みは、改善しないと
いけないんですね」という気にさせる本です。
現場のサラリーマンは、本書を読んで、ますます不満が増大
したり、逆に「それみたことか」となったりして、自分たちを
取り巻く組織人事環境のよくないところが大変よく見通せる。
また、トップ経営管理層にもぜひ読んでいただきたいものです。
賛否両論ですが、私はお薦めします!
★★★★★
この本で採り上げているのは
・「実力主義」「成果主義」
・「360度評価」
・「フラット型組織」
・「ボトムアップ主義」
私の会社も似たような手法を最近採用していますが、この著者の書いてある通り、良い面、悪い面が何事にもあり、今は、悪い面が増えている気がします。
「実力主義」は社内がギスギスした雰囲気が増えてきたし、じゃあ、抜群の成績をあげた人がたくさんのボーナスをもらうかというとそうでもないし、で、成績悪いとボーナスは減らされるし、人件費削減が見え見えです。
「360度評価」も下の人が上司を批判する、というのも、どうかと思います。
タイトルだけ見ると、いつもの軽い本かと想像してしまいましたが、思った以上にしっかりした内容です。
最後にもう少し提言があると(ちゃんと書いてありますが)さらに良かったです。