日本書紀に登場する天皇の名前や所業を分析してまとめた本。
この手の著作にしては非常に読みやすくコラム形式でまとめてあり、読むものを意識したつくりになっている。
しかし残念ながら、1つの視点のみに依拠して書かれており、とても新書シリーズとは思えない内容である。
検証・分析がないのである。
一応、検証らしいスタンスを取っているが、著者が議論点としたい点のみを恣意的にとりあげ、
それ以外の議論がある点をばっさり「こうとしか考えられない」と言い切る立場は気持ち悪いものがある。
何れにしろ、敢えて買う必要もないが、日本書紀の解説の一書と思えばよい。
批判力を持って読んでいただけるならば、まあ参考にはなるだろう。