難解さを緩めてくれる一冊
★★★★★
理科の中でどの内容が苦手といえば間違いなく物理で、「一体何をおっしゃってるのかさっぱり判りません」というぐらい判らない分野もあったのだが、この著書ははじめにそんな物理のわかりにくさの原因について丁寧に示してくれている。
そんな難解さはパッと見ただけでは捉え切れない現象を理解しようとするという物理学の目的自体や、その手段として現象に直接向かうのではなく、現象に関わるそれぞれの要素を測定しようという方法、そのデータをまとめる数学的思考と結果としての数式の記述、それぞれが重畳して出来上がっていること、その独特の学問的態度に注意して取り組んでいけば必ずしも難解なばかりではないことを教えてくれる。
実際、その線を押さえて読み進めていくと、理解に濃淡はあるとはいえ各分野の内容は少し掴めてきた。化学・生物・地学と共に生活に関わっている物理の法則を、いくらかは思い浮かべることが出来てきたかもしれない。
しかし、厳密な理解というのはやはり難しい。四冊のなかで一番難しかったが、それだけ理解できた部分は楽しめた。数学をより理解できれば、物理もその分理解できるのだろうと思う。
わかったよ!
★★★★★
学校で買わされる規格された教科書は、計算、公式ばかり主張しがちである。
対して、『新しい高校物理の教科書』は、本質及び身近な具体例をあげる為、頭に定着しやすく、ただ公式だけを暗記するのではなく、イメージを含んだ公式として頭に浮かびあがらせてくれるので、日常の生活に面白さを感じさてくれる本です。
この本を読み切った後には、『物理』に対する興奮が芽生え、より深い『物理』の『面白さ』に挑む気持が待っていると思います。
その快感を一度味わってみては?
高校物理の基本に忠実
★★★★☆
高校物理を「真面目に」やり直したいと願う人に適した良書。各章冒頭に,答えられそうでなかなか答えられない簡単な設問を置く構成は,読者に自然と目的意識を持って文章を読み進めさせる効果あり。導入部や解説の合間に,壮大な物理ドラマを感じさせる味のある語りが散りばめられているため,かなりの頁数だが意外と最後まで興味が持続する。ただし,扱っている題材自体は高校物理の定番といえるものが多く,極めて凡庸で退屈な側面もあるのはマイナス材料。「検定外」と謳ってはいるものの,「教科書」であることを最重要視した結果,他の類書と比べてもむしろ「検定教科書」に近いオーソドックスな内容となった(ただし,受ける雰囲気や読後感は教科書とは全然異なる)。高校物理の定番題材にストーリー性を付与し,直感的なわかりやすさを重視した解説に優れる。『フォトサイエンス物理図録 改訂版―視覚でとらえる(数研出版)』等を伴侶とすると,ビジュアル的にも楽しい高校物理の学習が可能。個人的に熱力学の最後で「エクセルギ(=有効エネルギ)」概念にまで言及したことに好感を覚えた。
高校の教科書より断然”使える”
★★★★☆
高校物理の教科書はあまりストーリー性が感じられず、読んでも面白くないと感じる方が多いと思う。また、受験勉強の観点から見ても、屁理屈ばかりで役立たない。
一方、本書は力学→熱力学→波→電磁気学→応用(大学でメインになる内容のさわり)という順になっていて、本書だけでは受験で通用するようにはならないが、演習に入る前の”全体を軽く理解する段階”では、学校の教科書よりよっぽど役立つ。350ページあるが、ブルーバックスは新書がやや大きくなったくらいの大きさなので、文系でも一週間あれば読めるくらいの分量だと思う。私は、受験物理で有名な橋元シリーズよりも、本書のように文章で丁寧に説明してあるものの方が理解しやすかった。
スゴイ!!日常生活のハテナ??が・・・省エネって?などなど
★★★★★
私は文系出身の社会人です。物理は難しい、縁が無いという気持ちしか無かったのですが、何とこの本に出会って物理の楽しさを知りました。
もっと早くこの本に出会っていたかったです。
奥深く多岐にわたる分野のため、すべてを理解することは出来なかったのですが、身近な事例を取り上げて、その謎を説明してくれるので分かりやすかったです。
何事も難しいと思うと理解するスピードが落ちると思います。
この本は、「物理って難しい」を「自分でも理解できるかも」って思わせる素晴らしい本です!