嫌いではないが
★★★☆☆
このシリーズ、一巻を読んだ時に、「この話のゴールは、一体どこに据えるつもりなのだろう。」と感じた。三巻まで来て、不幸が上塗りされ、話は多少進んだが、やはりゴールをどこに据えているのかが見えて来ない。だから、いまひとつテーマがはっきりしない。この「もどかしい感」自体が作者の狙いだとも思えないのだが。十五年前の「eccentrics」も、終着点があまりに読者に委ねられており、扱いたいテーマは分かるものの結末が判然としなかったが、それに近いこの「ピリオド」はどうなるのだろう。ストーリー以前に、落としどころに不安あり。桐野夏生路線狙いなのだとしても、やや散漫。それに、もう少し掲載なり発刊なりを急いで欲しい。無理?