とても頭のいい冷たいけど心に残る他の作品とは違い、男と女が共に生きて行く様をとても現実的に描写しています。でも、やっぱりなんかほのぼのする部分があって何度でも読んでしまいました。
女のせこくてだらしなさとか男の情けないけど賢いところとか…
『なんだかなぁ』という部分を短編で綴~~っています。
やっぱり、うまいなぁ~~~と思いました。~
イラストレーターのハナコさん(26)とサラリーマンのイチロー君(27)の同居カップル。買い物、デート、食事のことや家事などの普段のささいなことから、誕生日・クリスマスといったイベントでのプレゼントの話、海、テニス、スキーといった遊びの話などなどを描きながら、「男ってどうしち?こうなの」片や「女ってやつは~」とお互いに思いつつ、折り合いをつけて生活している様子が明るく、時々の季節感も交えつつ描かれます。
読んでいて気持ちよいのは、ハナコさんにしてもイチロー君にしてもカラリとしたところがあり、例えば「男って・・・」という女性の立場の話を書いていても、視点はけっこう男女に公平なのでイヤミくささがないこと。それにハナコさんの絵柄がけっこうカワイイこともよい感じです。
吉田秋生というとどうしてもシリアスでドラマティックな作品を思い浮かべてしまいますが、ここではイイ感じに力が抜けていて、違った一面を見せています。当時”三高”と言われた理想の結婚相手の話、スキーブームの話など、バブル期真っ盛りの時代を彷彿とさせるところもまたなつかしいです。