凜の言葉は泣ける。
★★★★★
凜のしたことは絶対に赦されることではないが、彼が育ってきた環境はあまりにも過酷すぎた。自分たち新しい人類を生み出した人間に復讐したい気持ちもあっただろうし、「祖父」に虐待され続けた凜がせめて「父親」には愛されたいと思っていたとしても不思議ではない。だが、それも裏切られる。暴走する凜。
そんな凜と対立する双子の兄の静。静には「母親」や友達と愛情に包まれて沖縄で過ごした経験がある。そこが静と凜の人間性の違いに現れている。ただ、静はその後母親を目の前で殺され、そのままアメリカに拉致されて実験動物のような扱いを受けながら博士となり、日本に戻ってきた。
凜と静の対立は避けられないことだったが、最後に凜が静と皆を助けるために命を投げ出すところは泣けた。「兄さんに会えて良かった」という一言は、凜が救われて死んでいった証だったのだろう。
全体を通して血なまぐさいドラマだったが、最後が良かったと思う。