それでも少年は人間とともに泣き,笑い,怒り,悲しみ,希望を持ち,絶望を知ります。
この主人公である少年の,人間を客観的に捉えざるをえない立場と,一方で人間に引きつけられ,揺れる心理の相克が実に見事に描かれています。
2巻で白眉なのは,やはり「ソクラテス」。とりあえずソクラテスの人物造形にやられてみましょう。
壮大なテーマに挑むシリーズ。必読です。
不思議な少年が一方的に超越した価値観を持っているとはしていないところで、この作品(特にこの巻)は、より面白くなっていると思います。