トキワ荘との邂逅。
★★★★★
第3巻で、二人は「トキワ荘」を訪れます。
そこは、手塚治虫さんの東京の隠れ家でした。
漫画家の聖地のように伝えられることになるこの場所で、二人は手塚治虫さんに再び出会い、漫画家への道をつけてもらうことになりました。
この場面は、名場面中の名場面だと思います。
初めて来たのに、昔から知っている場所のような気がした、と書かれています。
これ以外では、満賀が、長編作品の重圧から逃れようとして、試験勉強の間は休憩しようとして才野に気づかれないように大喜びするシーンが印象的です。
その時、大阪に戻っていた激河の単行本を書店で手にして、ショックを受け猛然と漫画制作に打ち込みます。
大親友の才野、少し苦手でもライバル関係にある激河。
まんが道をたった一人で歩いてゆくのはとても困難な気がしますが、出会いが道を踏み外すことなく進める原動力になっているみたいです。
学生から社会人への節目
★★★★★
まんが道/3巻は満賀道雄が高校卒業する前後の話が描かれています。
高校時代のヒロイン霧野涼子との衝撃的な結末が印象的でした。
2巻から読み進めてくると、深く心にしみ込むシーンとなっています。
ほか、東京の出版社へ思いを込めて書き上げた原稿をもっていき、その評価が
下される場面では、2人のドキドキ感が伝わってきました。
隠れた名作
★★★★☆
自叙伝を漫画にしたもの。事実は小説よりも希なり、といいますが、どんな藤子SFよりも面白く感じます。隠れた名作だと思います。
わたしのまんが道もここから
★★★★★
少年のころ、マンガを描きたくなったのは、この「まんが道」を読んでから。藤子先生の二人の情熱とマンガの喜びを、そして何よりお二人が描いてきたマンガがおもしろくて仕方がなかった。自伝マンガとしてはもっとも楽しめる一作だと思います。