新漫画党。
★★★★★
一冊一冊読み終えるたびに、深呼吸してしまいます。
手塚治虫さんが切り開いた、まんがの扉を才能を持った若者が押し広げようとしています。
トキワ荘の話になると必ず中心人物として語られる寺田ヒロオ氏。
「スポーツマン金太郎」「背番号0」は大好きな作品です。
寺さんは、生まれながらのリーダーのような方だったように思えます。
トキワ荘は、手塚さんに憧れた人が寺さんを慕って集まってきたのではないかな、と想像しています。
寺さんを一躍有名にした新漫画党。名前だけは知っていましたが、第8巻で新漫画党結成式に立ち会えます。
それにしても、躍動する熱い気持ち、情熱が今もって伝わってきます。
それと、満賀と才野は必ずプロットを書いて作品を作り出すのですが、このあたりに大成してゆく人の基本姿勢が見て取れるように思えます。
二人の天才コンビの天才性を見つけるのもこの作品の楽しみでもあります。
毒ヘビは急がない
★★★★☆
「まんが道」の作品の中で、漫画史上に残りそうな名作は数あれど、名言となるとそう多くはない。しかし、この巻に登場する「毒ヘビは急がない」という言葉はその名言の1つに数えてもいいものではないか、と私は思う。意味は・・・読めば分かるので、ここでは秘密だ。
また、この巻には他にも見どころがある。それは藤子不二雄(マンガ内では「足塚茂道」)・寺田ヒロオなどによる「新漫画党」の結成ストーリーだ。今日では漫画家グループの活動は多く見られるようになってきたが、もしかしたら、これこそが元祖に当たるのかもしれない。
なにはともあれ、「まんが道」は全14巻なのでここからが後半なのだが、ここまで読んだ人は「え、もう後半?」と思うぐらいだと思う。そのぐらい読みやすいので、新しく読んでみようと思う人にも、このシリーズはおすすめできる。