作家と編集者。
★★★★★
仕事の依頼が途切れることなく舞い込んできます。
これまでの仕事のペースを上回る量を抱え込んでしまったところに、何と手塚治虫先生が大ピンチだという報せ。
あらゆる面で目をかけてもらっている憧れの人のピンチに二人のうちの一人、満賀が応援に行くことにしました。
そこで見た手塚氏の姿は、何人もの編集者を待たせて、目の前で作品を仕上げてゆくものでした。
どれ程追い込まれていても、笑顔でリラックスして見えることに満賀は驚きます。
一方、満賀と才野の方は、締め切りに間に合わず、担当者が交替してしまうという事態を経験します。
この巻では、作家と編集者の関係がよく描かれています。
先般、お亡くなりになった井上ひさしさんは、遅筆堂主人と名乗っていましたが、流行作家にとって編集者は、同志であり敵であり庇護者であり脅迫者であり、といった関係になるのでしょうか。
そして、運命はまたもやトキワ荘に新しい才能を招き入れました。石森章太郎、赤塚不二夫、鈴木伸一。役者が揃い始めました。