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つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む (ちくま文庫)

価格: ¥798
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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奇妙でファンタジックな妄想。 ★★★★★
奇妙な夢・妄想と現実を往来するファンタジー、だと思います。
起承転結のようなきちんとしたストーリーを持たない、結末のわからない物語ですね。
つげ氏のまんがの凄さは、それが面白いことです。
作者の内部から発している”何か”が作品を通して読み手に伝わってくるようです。

赤塚不二夫氏がトキワ荘に入る前、東京の化学工場に勤務していました。
日中は仕事をしながら、投稿作品を描いていました。
当時、赤塚氏の部屋を訪ねてくる漫画家が、長谷邦夫氏とつげ義春氏であったそうです。
つげ義春氏と赤塚氏が漫画家としてのスタートを切った頃に既に出会っていたことに興味を覚えました。
赤塚氏は、手塚タッチの上手な絵とギャグで児童漫画の頂点に登りつめます。
一方のつげ氏は、成人向けの漫画の時代がやってくるまで、ずっと待機していたような印象です。
独特のタッチと夢に迷い込んでしまったようなグロテスクなファンタジー。
赤塚漫画で育った子供が成人し、やっと受け入れられそうな作品群です。
赤塚氏も次第に大人漫画に進もうとしていたように見えたのですが、かつてのように光り輝くことはなかったように思えます。
つげ義春氏の作品は何も変わらず、時代が彼の領域に入っていったのだと思います。
最初にこれを読むことはおススメしません ★★★★★
夢と妄想という、つげを味わい語るうえで外せないテーマの作品を収録した巻です。
本書はシリーズ第1巻でしかも代表作「ねじ式」が収録されており、つげ未読者が最初に読むかもしれませんが、ここから始めることはオススメしません。
「ねじ式」「夢の散歩」「夜が掴む」などは夢と妄想が素のままで出てきますし、「コマツ岬の生活」「必殺するめ固め」「ヨシボーの犯罪」などは実験作で評価はさまざまあるマンガです。つげにとって外せないマンガですが、入口は違う方がいいかもしれません。

収録は、ねじ式、ゲンセンカン主人、夢の散歩、アルバイト、雨の中の慾情、夜が掴む、コマツ岬の生活、外のふくらみ、必殺するめ固め、ヨシボーの犯罪、窓の手、夏の思いで、懐かしいひと、事件、退屈な部屋、日の戯れ です。
意味不明で不気味な作品 ★★★★☆
つげ義春氏のマンガはこれが初めてだが、意味不明で不気味な作品である。
夢の中の不条理で性的な世界を描くものが多い。日本がどんどん経済成長していき、
古い日本が消滅していく昭和40年代を描いている。

みんなが豊かになっていく中で貧しいまま取り残されるんじゃないかという焦燥感、
変わっていく日本に対する不安感を描いているのであろうと分析してみるが、
つげ氏から「そんなの全然ちがうよ」と笑われてしまいそうだ。
それくらい他人の評価を拒否する作品だ。
むしろ「若夫婦連作」を読んでほしい ★★★★★
 「ねじ式」は言わずと知れた代表作中の代表作。突拍子もないが不思議な焦燥感に彩られたこの作品は、とにかく読まないと分からないし、読んでも何を語れば良いか分からない。そんな不思議な作品です。
 「夢」を扱った作品を多く収録。つげファンにはおなじみの温泉を舞台にしたものもあります。あるいは思春期の妄想と記憶をテーマにしたちょっと気持ち悪い作品もあり。
 だがしかし、本当にすばらしいと思えるのは、作者の日常が投影されていると思われる若夫婦もの。「夏の思いで」「懐かしいひと」「事件」「退屈な部屋」「日の戯れ」。どれもこれも、日常生活の至福が詰まっています。エロもグロも抑制されたこれらの作品を読むと、心の底から「もういいんだなにもかも・・・」と思えるとともに、こういう何でもない日々の暮らしがどれほど大切かということに思いが至ります。
いつか見た夢 ★★★★★
つげ義春さんはこれが初めてですが、作品には既視感を覚えますねぇ。安部公房の「笑う月」と同じように「そうそう、こんな夢みるみる」と素直に感動してしまいました。羊水のようにちょっと生臭い、怖い夢。もっともっと読みたいですが、寡作とのこと。他の作品も是非読んでみたいです。