つげ義春の軽妙さとリアリズムが出ています
★★★★★
悲しいかな最後のつげマンガになってしまうであろう「やもり」「海へ」「別離」の三部作を含む、自叙伝的色彩の強い作品を集めた巻です。
「池袋百点会」「下宿の頃」「隣の女」「義男の青春」のようなつげの軽さがよく表れたマンガもあり、地味ですが好きなセレクションです。また、子供時代のことはエッセイでは多く取り上げられていますが、マンガとなったのはここに収録された「やもり」くらいで、そういった意味でも読んでおくべき本だと思います。
収録は、大場電気鍍金工業所、少年、海へ、やもり、下宿の頃、義男の青春、池袋百点会、隣りの女、別離 です。