扱うテーマをテキパキと捌く名文家ハッキングの手腕は相変わらず見事で、観念→意味→文(私秘的な言語観から公共的な言語観へ)、と云う問題意識の大きな流れを解り易く解説してくれ、現状への問題提起にも富んでいます。論点が実にはっきりしているので、それ程予備知識のない読者にとっても読み易いでしょう。
言語と云うものを学問的に考える際に、我々はどの様な歴史的背景を背負って立っているのか。言語哲学や言語学一般に携わる人達に広く薦めたい一冊です。