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言語はなぜ哲学の問題になるのか

価格: ¥3,672
カテゴリ: 単行本
ブランド: 勁草書房
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現代哲学において、Household Wordとなった"LINGUISTIC TURN"とは何か? ★★★★☆
誰が言い出したか知りませんが、現代哲学における言語への関心の集中のことを”LINGISTIC TURN”と言います。堅い翻訳だと「言語学的転回」となります。うまいネーミングです。本書はこのあたりのことやさしく書いた言語哲学入門です。まさに原題どおり、「何で哲学で言語が問題になるの〜?」という初心者の疑問に答えてくれる本です。分量もそんなにないし、英語も読みやすいので、原書で読むことをお勧めします。特に英米系の言語哲学の議論は日本語になると、くどくて逆に分かりにくくなります。
”LINGUISTIC TURN"ということで大体フレーゲ、ラッセルを前史とするウィトゲンシュタインあたりから始まりますが、細かく言うと"LINGUISTIC TURN"には2つのフェーズがあったような気がします。先のものを「言語的転回」と言っておくと、後の言語学的知見が援用されて議論されるようになってくるのは「言語学的転回」と言えます。後者は"LINGUISTIC TURN"と言うよりも”LINGUISTIC TWIST”止まりですね。

ここでもハッキングの面目躍如 ★★★★☆
言語と云うものが何故、如何にして学問の主題として取り上げられる様になったのかと云うことを、近代以降のその歴史的展開から説き起こした本です。目次を見れば判る様に、取り上げる思想家達は英米系が中心で、欧州圏のものは余りカヴァーしていませんが、大枠の論旨そのものはそれらにも適用可能なものです。

 扱うテーマをテキパキと捌く名文家ハッキングの手腕は相変わらず見事で、観念→意味→文(私秘的な言語観から公共的な言語観へ)、と云う問題意識の大きな流れを解り易く解説してくれ、現状への問題提起にも富んでいます。論点が実にはっきりしているので、それ程予備知識のない読者にとっても読み易いでしょう。

 言語と云うものを学問的に考える際に、我々はどの様な歴史的背景を背負って立っているのか。言語哲学や言語学一般に携わる人達に広く薦めたい一冊です。