本書には、ポジティブであるとか、クリエイティブであるというような言葉は登場しない。代わりに、「好きになる」であるとか、「創意工夫」といった言葉で、新入社員、中堅社員、幹部社員に、働く喜びや生きがいをより豊かに味わい、自己の能力を高めるための心得を説く。著者の言葉は丁寧で美しく、それでいて厳粛で、姿勢は常に前向きである。読後に背筋のすーっと伸びるようなすがすがしさがあるのは、その姿勢のみならず、著者の丁寧な日本語によるところが大きい。真摯な気持ちで味わえる自己啓発本である。(金田地栄子)