真珠湾奇襲に成功した日本海軍は、翌1942年6月、ミッドウェイ攻略を計画し、山本五十六（三船敏郎）率いる連合艦隊は再び太平洋の海へ向かっていく。しかし、米軍は日本軍の暗号を解読し、これを迎え撃つ。その中には、息子がハワイの日本人と相思相愛になっていることに苦悩しているガース大佐（チャールトン・ヘストン）の姿もあった…。
   太平洋戦争の運命を決定付けたミッドウェイ海戦の全貌を描いた戦争スペクタクル映画。アメリカ建国200周年記念映画として製作され、公開時は超音波を用いた特殊音響“センサラウンド方式”も話題となった。日米を公平に描いているところは評価できるが、アメリカ側がオールスター・キャストなのに対し、日本側は三船以外すべて日系人キャストで占められ、セリフも英語（日本のみ、その部分をすべて日本語に吹き替えて上映）というのはマイナス。ただし、本作で日本側の事実上の主役ともいえる南雲長官役のジェームズ繁田（『ダイ・ハード』のナカトミ社長役でも有名）など、日系人俳優の魅力を堪能できることも確かである。戦闘シーンの多くに日本映画『太平洋の嵐』の特撮シーンが流用されているのはびっくり。監督は『動く標的』『エアポート75』などのジャック・スマイト。（的田也寸志）