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バガボンド(26)(モーニングKC)

価格: ¥550
カテゴリ: コミック
ブランド: 講談社
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心情を描く ★★★★☆
まず、一般の人が想像する『宮本武蔵』が存在しないのは事実。史実と違うだの、ありえない戦だの、ただの斬り合いだの、…そこに非難を集中している方とは意見が合いません。確かに史実・現実を気にして読まれる人にはあまりお薦めできません。話の筋もそう進んだ様には感じられず、薄いかも知れません。でも私にはこの巻の『間』がバガボンド全体には必要と感じます。だから評価4。(1下げたのは万人向きではないから。) この巻は武蔵の心情を描くための間ととらえます。70人対1人の戦いでありながら、臨場感を出す音や風景の少なさからある種の緊張を伴う静寂、反して激しく燃える命の奪い合い、「殺し合い」でありながら、時代に遅れ始めた「刀」で答えるある種の実直さを、独特の太い力強い線で描いている。この巻は展開が進むことに重点を置くのではなく、苛烈でありながら静寂な戦の中で武蔵の心と技が、「人に至るまで自然のひとつ、自然に抱かれている」という上泉信綱(秀綱)の至った輪廻に近い境地に少し近づく。しかし今繰り広げている「命の奪い合い」の意味に、過去の自分に疑問を感じはじめる一冊。人間誰もすぐには変われない。変われたとしても何がきっかけとはっきりとわからないほど不安定かつ脆弱なモノにより変わっていくと思う。それを人がつかむのにどれほどの葛藤を要し、その後の人間を創るのか。…多くの読者が人として「危うい武蔵」だから好きで、自分とは違う強い人間だが、弱さも持ち合わせていて素直な透き通る武蔵の姿が、意外とゆっくり展開が進むからこそ含まれてると思う。バサバサ斬るだけ、展開がチャッチャと進むだけの話なら他の漫画で十分味わえると思う。私は武蔵の人間らしい「迷いながらも自分を昇華させたい気持ち」を描くバガボンド、26巻の『間』に「ありがとう」と。
癒される ★★★★★
モーニングを読むときは、まずバガボンドを読む。
人を切り殺すシーンが満載であり、しかも、切られた奴が、
意識あるうちにカラスに目をつつかれるシーンなども
あり、かなり残虐なリアリティがあるのだが、
読むと、何故か癒される。

普通の癒されマンガや、エロマンガでは
決して癒されないものが、
バガボンドを読むと
一瞬だけ、癒されてしまう。
不思議なマンガだと思う。
1対1に期待 ★★☆☆☆
吉岡一門総勢70人VS武蔵、これ描いてる作者の作業量たるや
想像を絶するのではないでしょうか?考えるだけで頭が下がります。
ただ、その作業量に比例して面白くなるかといえばそうでもない。
 
柳生四高弟のときも思ったけど、VS複数ってあまり盛り上がらんような・・・
実戦なんだからそういうシチュエーションもあって当然なんだろうけど、やっぱバトルは
1対1が一番燃える。しかも今回相手の70人中65人くらいは雑魚同然、コレでは熱くなれるはずが無い!というわけで評価は低めになっとります。
滑稽な小躍り ★☆☆☆☆
剣術で言う所の形にはまる事を感覚的表現で否定した前巻の伝Vs武蔵、氏が演出したこの殺陣にはもちろん形にはまりたくないという氏、自信の意味が込められていると思うが形にはまらない武蔵の殺陣は漫画表現から飛出し斬る前後の動作、つまり漫画内での殺陣の伏線を省いてしまい読者に起こった事を描くというとても基本的で大切な事を省略してしまっている。そんな1対1も描けない氏が今作で出来る事は?武蔵=井上氏の基本を忘れた小躍りが始まってしまった。
ただの老害漫画 ★★★☆☆
全世界で1億部を売り上げた『スラムダンク』の作者井上雄彦氏が
歴史小説界の巨峰・吉川英治氏の架空小説 『宮本武蔵』 を元に
大胆なアレンジを加えて作り上げた剣豪漫画。
基本的な設定と大筋は原作通りだが、実際の内容は別物といっていいものになっている。
(その割に “原作・吉川英治 『宮本武蔵』 より” という文句を売り物にしているが)

この26巻では武蔵の養子が武蔵顕彰の為に脚色を加えたという『小倉碑文』、
偽書説が囁かれている『南方録』『兵法大祖武州玄信公伝来』、『二天記』等に記された
一乗寺下り松の決闘(但し何れも内容はバラバラで、しかも「吉岡家は滅んだ」との記述があるが
実際には存続している)を描いており、武蔵は吉岡道場の残党70余名とただ一人で戦う事となる。

感想としては、相変わらず絵が素晴らしい。
全体の作画のバランス、プリミティブでありながらセンシティブな描線、魅せ方というものをを十二分に理解し尽くした構図、
確固たるデッサン能力と肉体の躍動感、台詞を延々書き連ねるよりなお饒舌な表情。
本当に絵を見ているだけでも楽しいが、肝心の話の方はがスカスカで刑務所の豆スープよりも内容が薄い。

というのも、十把一絡げの雑魚相手の死闘を延々と描き続けてはいるが、あまりにも彼我の実力差があり過ぎる為、
緊迫感も無ければ興奮も無いためである。
その上相手は多勢に無勢でなりふり構わぬ心意気だが、反面鉄砲や弓箭を使わないという、戦い方に自ら
縛りを加えている滑稽ぶりで、三文時代劇の殺陣を見るように、わざわざ自分から斬られに行っているようにしか見えない。
武蔵も交通整理の警官人形の如く機械的に剣を振ってるだけで、SLAM DUNKの、全編見所満載の名試合に見られるような
アイディアや工夫も無ければ爽快感もスピード感も無く、敵側に魅力的なスターも華も無く、
ヴァリエーション豊かで人目を惹く妙技も予想を裏切る展開も無く、全体として話の起伏も無ければ平仄もない。
単に短く纏めれば済むような単調な話を、無理に長尺にして更に退屈にしただけといった感じの内容である。

作者は更に斬られる側の心理描写を所々に散りばめてあり、これによって戦いの虚しさと武人の生き様や悲劇を描き、
感動的な演出をしたつもりなのだろうが、これは殺し合う理由など何ひとつないであろう、どうでもいいポッと出の
関が原西軍の残党3人との単調な戦いを延々描き続け、更に彼らの過去回想や心理描写を長々と続けた、
小次郎編ラスト2巻を彷彿とさせ、正直うんざりさせてくれる。

殺陣の面白さは発想と演出と展開の工夫にあり、あるいは戦いそのものよりも対峙し合う者同士の心理的な駆け引きにあるのだが、
結論として、この巻はそのいずれもが欠落していると言わざるを得ない。