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リストラとワークシェアリング (岩波新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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隗より始めよ(自分の職場でやってみせよ)。 ★★★☆☆
宙に浮いた話で終わってしまっているのが残念。

サービス残業とワークシェアリングは全く別の問題なのに、これを混同してしまっている。
ワークシェアリングを実施しても、サービス残業の総体が減る理由はどこにも無い。
売上予算対比での人件費の枠は年初に決まっているからだ。

まして複数を時間割で雇用すれば企業負担の法定福利費や退職給付費用が増え、
この本の想定よりも、より基本給与の引き下げが必要となる。

また、この書の中で、何度も内省の声を響かせる筆者は、
大学教授・講師職のワークシェアリングには一言も触れない。

世にはオーバードクターで就職の道が無い若者が大勢いると聞く。
ならば机上の宙に浮いた話を書き連ねるのではなく、
筆者が勤務する甲南大学でのワークシェアリングの導入事例を書けなかったのか。

そして、もし甲南大学でワークシェアリングを実施できず、
人件費の枠を増やさずに講師の雇用増加が出来なかったとすれば、それはなぜなのか。

これは厚生労働省であっても同じこと。「自分の職場を棚上げした発言」に説得力は無い。
ワークシェアリング推進論者に、これだけは言っておきたい。

「隗より始めよ」(自分の職場でやってみせよ)。
現状追認の危険性 ★★★☆☆
 熊沢誠の著作は大好きでずいぶん読んだが、時代が後になればなるほど、かつてのラディカルさがしだいに影をひそめ、現状追認的になっているような気がする。それは、著者自身が老いたせいばかりでなく、日本社会の右傾化と企業権力の圧倒的な力量から来るある種の絶望感のゆえなのだろう。

 本書もそのような傾向を感じさせる。著者は、労働を取り巻く現在の過酷な状況を手際よく紹介した上で、それに対するオルタナティブの一つとしてワークシェアリングの可能性を論じる。労働時間の短縮の有無、雇用が保障される、ないし新たに雇用される労働者の「雇用の質」(時間給の水準、雇用形態)、雇用効果のおよぶ範囲、すなわち既存の雇用の維持にとどまるのか、新規雇用の増加があるのか、という3つの基準を提示して、それぞれの組み合わせによってワークシェアリングの質を評価する。

 最も有利な組み合わせは、「労働時間の短縮―雇用の質の維持―新規雇用の増大」というパターンであり、最も不利なのは、「労働時間の短縮なし―雇用の質の低下―既存労働者の雇用維持」という組み合わせである。

 著者は現在の状況の厳しさから、不利なパターンに近いものでも、現状よりはましなものとして受け入れざるをえないと考えているようだ。従業員を半分に減らそうとする企業側の提案に対して、給料を半分に減らして従業員数を維持する組合側の逆提案がワークシェアリングとして評価されているが、これでは賃金を減らしたい企業の側の思うつぼではないか?

 また、著者が、低賃金ゆえに自立できない労働者のことを指して括弧なしで何度も「パラサイト」という表現を使っていることには違和感を感じた。
いつまで「精鋭」でいられますか? ★★★★★
少子高齢社会を迎えるに当たって、〈個人選択型〉ワークシェアリングが求められているのかと思えば、著者は〈一律型〉こそ重要と説いている。現在の日本企業はいまだ正社員のフルタイムが長すぎ、そこを放置するなら新しい雇用機会は生み出せないという主張には納得できる。

「精鋭」の労働時間を短縮して「そこそこ」のひとたちの雇用を守るのが〈一律型〉ワークシェアリング。そうすると人件費は増加して生産性は低下する、というのが経営者側の論理であり、企業はこれに消極的にならざるを得ない。

「精鋭」とは長時間労働をいとわず成果を誇れる人たちで、企業からしてみれば彼らだけが残ってくれればよく、「そこそこ」の人たちはすなわちリストラの対象でしかありえない。それをやむを得ないと組合幹部ですら受け止めている悲しさ。「精鋭」たちも時短に伴い自らの報酬が減るのは素直に受け入れられない。

ただ、この「精鋭」たちの生活あるいは人生がどのようなものであるかは、すでにバブル期に暉峻淑子『豊かさとは何か』(岩波新書)でも述べられていた。否応なしに「精鋭」たらざるを得ない人々は私の周りにも多い。

タイトルがそうであるように、リストラとワークシェアリングについての理解を深めるのに大変役立つ。現在「精鋭」の人、「そこそこ」の人、パートタイマーの人、そして潜在失業者を含む失業中の人、それら多くの人たちにとって現状の認識と方向性の示唆に富んだ一冊である。

現在の日本の労働事情に対する骨太のオルタナティヴ ★★★★★
 ï¼'999ï¼-å¹'の「能力主義と企業社会」、ï¼'000å¹'の「女性åŠ'働と企業社会」に続く、åŠ'働é-¢ä¿‚について詳ã-くè«-じたï¼"部作の最後ã‚'飾るã"の本では、æ-¥æœ¬ä¼æ¥­ã«ãŠã'るワークシェアリングのå¿...要性と、正社å"¡ã®åŠ'働時é-"の一律的短縮による雇ç"¨å‰µå‡ºã®å¿...要性、そそã-て「サーãƒ'ィス残業」の禁止によるåŠ'働è€...の精神面、肉ä½"面での負æ‹...ã‚'軽減する事、そã-て「同一職種同一賃é‡'」によるãƒ'ートåŠ'働è€...の給与面でのå¾...遇のå'上、そã-て失業対ç­-とã-ての、そã-て雇ç"¨ã®æº-備とã-ての社会保障ã‚'å......実させるべきである事ã‚'提言ã-ています。

 ã"のような意見に対ã-て、企業å'は「正社å"¡ã¨ãƒ'ートではそもそも身分が違う。」とか、「職務å†...容が異なる。」とか、「勤務時é-"の自ç"±åº¦ãŒé•ã†ã€‚」とか言う意見とå...±ã«ã€ã€Œãƒ'ートå!Š'働è€...は以上のようなåŠ'働条件ã‚'もとより承知ã-ている。」と主張するでã-ょう。ã-かã-、それら企業å'の主張が、結局、正社å"¡ã¨éžæ­£ç¤¾å"¡ã¨ã®é-"に横たわる厳然たる賃é‡'の格差ã‚'æ­£å½"åŒ-ã-てã-まい、終身雇ç"¨æ...£è¡ŒãŒå¦å®šã•ã‚ŒãŸå‰è€...がますます「サーãƒ'ィス残業」に追われたり過重なノルマに耐えかねて「過åŠ'死」する人é-"ã‚'å¢-やす事になり、後è€...にいたっては、フルタイムで働いても自æ'»ã™ã‚‹äº‹ã‚‚出来ない状æ...‹ã«è»¢è½ã-、「ãƒ'ラサイト」状æ...‹ã«é™¥ã£ã¦ã-まうのもå¿...然的な結果となるのだ、と言う風にã"の本のè'-è€...は主張ã-ます。

 リストラや「能力主義」や「成果主義」に基づくåŠ'務管理が、「åŠ'働è€...」とã-ての連帯感ã‚'å-ªå¤±ã•ã›ã¦ã-まっている現在において、è'-è€...はまず、企業ã‚'è¶...えた「同一職種同一賃é‡'」による「一律型」の!時短ã‚'すべき事ã‚'主張ã-、その後で「個人選択型」のãƒ'ートタイマーのå¾...遇æ"¹å-„ã‚'すべき事ã‚'主張ã-ます。

 もã-も今のåŠ'働状æ...‹ã«ã"不満のおæ-¹ã«ã¯ã€ã"の本ã‚'ã"一読なさる事ã‚'おすすめè‡'ã-ます。

一律型ワークシェアリングの必要性を説く ★★★★★
 リストラとワークシェアリングが併存するわが国の現状を批判し、その解決策として「一律型ワークシェアリング」の導入を求める。
 当たり前のごとく行われているサービス残業や恒常的な長時間残業。他方では高い水準で推移する失業率。その矛盾を解くカギが一律型ワークシェアリングのなかにあるという著者の主張は、わかりやすく説得力がある。労働経済学の第一人者で、しかも国内外の労使関係と作業現場を知り尽くしている著者ゆえ、書かれている内容は精緻で信頼性がある。そのうえ、作家顔負けの文章力で「しんどい」内容にもかかわらず読者を飽きさせない。
 「熊沢ファン」ならずとも次作を期待してしまう。