3年後に、自分の娘にも読ませたいです
★★★★★
正直、一番大きな印象は、
娘が二人もできると、宮台真司も変わるなあ、
ということです。
自分には小学生の娘がいますが、
中学生になったら、読ませてもいいと思いました。
実際の内容は、中高生向けというよりも、
ある程度の学力のある大人向けという印象でした。
最初から半分までは、比較的楽に読めますが、
半分以降は少し理屈っぽく、中学生女子は読むかなぁ?
と疑問に思ってしまいました。
逆に言うなら、理屈っぽい話が好きな人には面白いです。
理想として、この本を理解してくれるような子に
自分の娘がなってくれたらいいなぁ、と思います。
あえて、書き込みをせずに、書斎の棚に置いておきます。
気恥ずかしい。一体誰に向けて、書いてんだ?
★★☆☆☆
まさか本気で、中学生がこの本を読もうとすると考えてるんだろうか。唯一可能性がありそうなのは、宮台ファンの親が子供に買い与えたり、勘違いした教師が推薦図書にするパターンのヤツや!
まず表紙(本のカバー)が相当恥ずかしい。江原啓之か誰かのスピリチュアル系の雰囲気である。前書きも、著者が自分の結婚や娘の話を持ち出していて何だか気持ち悪い。思わず、今更どの面下げて「愛」を語る?!って、突っ込みたくなった。
5人の(架空の?)女子中学生を生徒役に、作者があれこれ教えを垂れる、って構成なんだが、各章扉に描かれたその女子中学生の絵姿が又、ステレオタイプ化されていて悪趣味。作者が書いたと思われる女子中学生の質問や返答も、なんだかワザとらしくて変。
宮台の「授業内容」の方は、意外にもこれまで彼が著書や対談で述べていた内容と殆ど変わらなかったので、80%くらいは既知のことであった。オタクの変遷史、特に最近のAKBのマーケティング戦略とか、が私にはやや目新しかったくらい。
小林よしのりがかつて『戦争論』を出した時のように、「え、これってギャグでやってんの?」って疑問がわいた。なんか宣伝用動画まで公開してるし、宮台、一体どーなっちゃったの?
ぶっちゃけ、私的には100点です。
★★★★★
この本はすごいです。
良く出来てます。(文体も、ロジックも、テーマも、挿絵も)
宮台真司さんは、妙に難解な文体・言い回しを多様される方だという印象があって、嫌厭していたのですが(その思想の方向性には親密感をいだいていましたが)、
この本はとても平明に書かれています(まるで別人のように)。
私はかれこれ、8年くらい宮台さんの本は読んでいなかったのでわからないのですが、これは『14歳からの社会学』くらいからの変化なのでしょうか?
…とにかく、「深くて、倫理的で、知的で、成熟的で、それでいて、平明である」という、私が理想とする内容の本になっています!
そう、例えば、私が特に尊敬する苫米地英人さんや、内田樹さんが語っているような仕方で、宮台真司さんが語っているような感じがしました。
<引用開始>
5年前に(…)結婚して、今は3歳と0歳の二人の娘たちがいます。(…)
この本はやがて僕の娘 たちが読むでしょう。(…)人生をうまく生きることがもともと難 しいと分かったからこそ「愛」しかないと思うようになりました。
<引用終了>
…この変化の主な原因は、きっと結婚(子ども)だと考えています。
結婚(子ども)の力ってすごいですね。
(エヴァンゲリヲンの庵野秀明さんもそうですけど(新劇場版は、旧作に比べてかなりの人格的調和を感じました)。)
著書の中の一部だけを切り取って記すのは、誤解を招くこともあるかもしれないですけど、以下は、私が特に印象に残った部分です。
<引用開始>
不幸は幸福の始まり。幸福は不幸の始まり。失敗は成功のもと。成功は失敗のもと。人生の終着点から振り返ったとき、何が良くて、何が悪かったのか、終着点に到着する前には決してわからないということだ。(…)
では、「人間万事塞翁が馬」を踏まえた上で、性愛について考えてみよう。妊娠や病気はヤバい。それはわかってる。でも、妊娠して中絶した経験も、性病にかかった経験もないのに、一度も幸せな性愛を経験したことがないって言う女の子は、ごまんといるんだよ。
逆に、中絶経験も性病経験もあるけど、あれこれあって、今は幸せな恋愛生活や家族生活を送っているっていう子も、ごまんといるんだ。つまり、妊娠や病気は気をつけなきゃいけないけど、そこで失敗したからって絶望しちゃいけない。コレはとても大切な事だ。
(本書76ページ)
<引用終了>
<引用開始>
結局、「隔離より免疫化」と「尊厳の保護」の両方が大切なんだ。けれど、この二つは場合によってはぶつかり合う。免疫化のためにはそれなりに試行錯誤が必要になるけれど、試行錯誤の仕方によっては尊厳が傷つけれれる可能性があるからだよね。
だからこそ、この二つをどうかけ合わせて、どんなバランスでやっていくかが大事になるんだ。しかも、どんな掛け合わせの仕方が適切かは、時代や社会によって、また個人の性格によって、かなり違ってくる。となると、大人がよく観察することが必要になる。
つまり、リカさんが近い将来に幸せな性愛生活を送れるように、「尊厳の保護」に気をつけながら「隔離より免疫化」のための試行錯誤をしてもらうには、親などまわりの大人がキミをよくみて、「今」の段階でどんなバランスがいいのかを判断しなきゃいけない
リカさんが傷つきやすいなら「尊厳の保護」に重きを置いて、ゆっくり「免疫化」したほうがいい、といった具合にね。
(本書84〜85ページ)
<引用終了>(※「リカさん」というのは、対話相手として著書の中に登場する架空の女の子の名前です。)
まさに、宮台式性教育ですね。
宮台さんに一票です。
後半では、政治思想、環境問題、核などの世界秩序について述べられています。
14歳だけでなく、みんなに読んで欲しいです。
★★★★★
「14歳からの社会学」は、少し脅しのような言い方がありましたが、この本ではそういうこともなく、
社会の現状をわかりやすく説明した上、これからはこういう風にした方がベターなんではないか?っていう提案がなされます。
とても読みやすいです。
ニコニコ動画で、宮台真司のニコ生動画っていうのがUPされています。
この本を補足していると思いますので、興味のある方は見てみると良いと思います。
一箇所、ニコ生ユーザーからの質問で、宮台氏の答えに異論がありましたが…
この本で述べられている事は、
学校や親は教えてくれない事がほとんどだろうし、
非常に貴重です。
特に私が良かったのは、恋愛において、
男性は承認を求めるが、女性は承認+理解を求めるという所です。
これがもっと早い時期にわかっていれば、
私は男性ですが、38歳まで独身じゃなかったような気がします(汗)
過去の私も含めて、もてないもてないって言う男性が多いけれども、
(そんな本を書いている東大出身の方もいらっしゃいますね)、
承認されたいって気持ちだけでは、恋愛はうまくいかないって事がわかりました。
今さら気づいても、
もう遅いのかもしれませんが、
少しは気分が明るくなりました。
宮台先生に感染したのは良かったです。
恋と愛の青春小説
★★★☆☆
○出版早々、さっそく男子高校生にあげました。中学生の妹もいるので、兄弟仲良く楽しんでくれることでしょう。こういう時は、まだ印刷物の形態が便利ですね。
○次のような方にオススメします。
(1)恋・愛について、若者に何か伝えたいけれど、言い難い
(2)恋・愛について、常識的ではない考え方を知りたい
(3)著者の人生遍歴を楽しみたい
○(3)の観点では、こうした著作をまとめられるのも、部分によって説得力があったりなかったりするのも、著者のこれまでの人生遍歴があってこそのこと、と思われます。一つの人生のストーリーが描かれること、主人公が思い悩み試行錯誤を繰り返すこと、一種のユートピアを描いて希望を持たせたまとめになっていること。一つの青春小説として読みました。