【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:E.クレッチュマー/著 内村祐之/訳 出版社名:岩波書店 シリーズ名:岩波文庫 発行年月:1982年01月 関連キーワード:テンサイ ノ シンリガク イワナミ ブンコ てんさい の しんりがく いわなみ ぶんこ、 クレツチユマー,エルンスト KRETSCHMER,ERNST ウチムラ,ユウシ くれつちゆまー,えるんすと KRETSCHMER,ERNST うちむら,ゆうし、 イワナミ シヨテン イワナミシヨテン 0365 いわなみ しよてん いわなみしよてん 0365
新しい見方・見識
★★★★★
天才が天才たるゆえんのその才能を、そこに至る精神過程を徹底的に追及した本である。
英雄視して、本質を見誤らず、淡々とデータで示した。そこから導き出される事は、単純に、なぜ彼がその時代に生まれたのか?という問いかけを内面から想像し、分析する。
結果、彼らの苦悩を描く。
人物評伝として読みました
★★★★☆
クレッチマーといえば三大気質分類が有名で、これもそのカテゴリーに当てはめて天才を論じようとしているの
だが、あまり成功しているとも説得的とも思えない。むしろ事例として挙げている天才達に関しての評伝がと
にかく面白く、簡潔で的を得た人物スケッチになっていると思う。ビスマルク、ルソー、ゲーテ、モルトケ、ヘル
ダーリン、ロベスピエールについて理解するにうってつけ。むしろ本書はそこがウリではないかと思う。
天才の真髄に迫った本
★★★★★
まずこの本を一読して、思うのが、作者の芸術的描写である。それは過去の天才たちの私生活、公的な活動を巧みな言い回しでクレッチュマーが描写している、という意味である。確かにクレッチュマーの天才についての論述を仔細に眺めると、些細な欠陥が見られる。私はこの本を六回読んだが、クレッチュマーの矛盾した理論がしばしば私の頭脳をかき乱した。
しかしこの本の、本当のすばらしさは、著者独特の言い回しにある・そして当時、最新だった臨床結果を多量に引用し、様々な可能性を私たちに垣間見させてくれる。それがこの本のもっとも良い部分である。それに手ごろにこの本は読める。ほとんどの医学用語を用いず、簡潔に書いているため、この本は精神医学に興味を持つ人に大いなる寄与をするであろう。
物議をかもす主張
★★★★★
三大体質による気質論の完成者、クレッチュマーによる古典である。まだ精神医学の主流がドイツにあった時代の本なので、フロイト以降の、精神分析学の中心がパリやロンドンに移ってしまった時代とは一線を画している。
著者の主張は明快だ。それぞれ、循環気質、分裂気質、そして粘着気質という三大気質に当てはまる「天才」を探してきて、それを体質別に分類して、天才の天才たるゆえんと彼らの性格とを結びつけようとしたものである。著書の性質上、肖像画が大量に掲載されている。粘着気質の天才を探すのは難しかったようで、フンボルト弟とヘーゲルくらいしか挙げられていないが、最も有名な例はドストエフスキーであろう。
物議を醸しそうなのが「女性の天才は極めて少ない」という著者の見解であろう。この見解に対してはフェミニストから女性蔑視であるという批判が予想される。しかしそうだろうか。近年、性ホルモンは脳の分化に影響し、男性と女性とは左右脳の分業の程度が違うそうであるが、これは著者の主張を一部裏付けているかもしれない。しかしそもそも「女性の天才はいない」という説自体は女性蔑視ではない。天才が輩出しようがしなかろうが、それは女性より男性が優れていることを意味しないからである。
天才の心理を明快に分析している
★★★★★
科学、哲学、政治、芸術などの分野の天才を分析している。
悪魔的なものという表現から天才と狂気の問題をえぐっている。
政治家としての天才ビスマルクの記載は興味深い。
この本の特徴は政治家も天才の一表現に入っていることであろう。
天才の発現には分裂病、躁うつ病、癲癇などの気質が
深く影響していることをみる。