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天才の世界 (知恵の森文庫 t ゆ 1-1)

価格: ¥920
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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いわゆる天才論とは一線を画する。天才とは"creative minority"なんです。 ★★★★☆
湯川秀樹博士という類稀なる天才に、湯川先生が天才と認める歴史上の人物について語らせることで、行間に湯川先生の"人となり"があぶり出されてくる、という変わった趣向の本です。一般に自分自身について客観的に捉える("メタ認知")のは難しいのですが、昔の天才のことなら割と楽に客観的に語ることができ、そこから逆に湯川先生の天才ぶりが窺い知れる ということです (→「離見の見」(世阿弥))。こういう企画を聞き手の市川亀久弥氏が発案されたようです。本書で語られるのは「弘法大師」「石川啄木」「ゴーゴリ」「ニュートン」で、湯川先生がどういう点を面白いと思っているのかを市川氏が引きだしている(半分誘導している?)のが面白いですね。個人的にはやはりニュートンの話が面白いのですが、「ニュートンと弘法大師は通じる処があるな」と指摘する湯川先生のモノの見方には感心しました。さすが「現実の根底にある自然法則に気付くのは達人で、現実の根底にある自然の調和に気付くのは詩人である」(「目に見えないもの」より)と仰るだけのことはあります。

そして、天才とは本質的に"creative minority"であり、一生の間に"多数意見"ばかり言っているようでは創造者でも天才でもないこと、そして、まわりの人間(特に同僚)も天才を"minority 扱い"("変わったヤツ"扱い)することで安心感を保とうとするものである、という話には膝を打ちました。独創の"独"、独学の"独"、孤独の"独"はどうやら一本の線で繋がっているようです。普通の天才論とは一線を画するという意味で面白い本でした。本シリーズには続編があるようなので、それらの復刊も期待しています。
天才論の中で最も優れたものの1つ ★★★★☆
 湯川氏と市川氏の対談の中で、天才と呼ばれる人間の特徴、また天才が生まれる条件などが明らかにされていく。構成としては、まえがきに著者の結論が簡潔にまとめられており、本文でそれを展開している。弘法大師、石川啄木、ゴーゴリ、ニュートンの4人を例に挙げて、生涯や業績、性格など多くの要素を論じている。天才について知りたければまず本書を読むと良いであろう。
偉人をだしにした、湯川先生の創造論、最高! ★★★★★
~実家にウンウン年間眠っていたのを見つけて読み始めました。弘法大師(空海)、啄木について対談形式で進められるのを読み進めていると、自分でもひょっとしたら湯川先生のように「創造的」になれる気がしてくるから不思議です。京都弁の混じった、暖かい先生のコメントに、ところどころニヤリとさせられます。弘法大師(空海)、啄木を褒め讃える湯川先生の~~謙遜で、逆に先生の人柄のよさがにじみ出てきます。わきまえない読者には、大学の先生が気楽に対談している、程度に思えるでしょうが、私には天才の秘訣を(湯川先生の世代にとっての)偉人をだしに湯川先生が解説している、後世へのメッセージのように読めました。ほか、ゴーリキ、ニュートンについて対談されています~