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経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: ダイヤモンド社
Amazon.co.jpで確認
水槽を揺すってナマズを暴れさせても地震は起きない ★★★★★
GDP統計(国民所得)の3面等価の説明が良かったので、
経常収支と財政収支、資本収支の関係をすんなり呑みこむことができました。

誤)貯蓄以上に投資を行っている(p156 6行目)
正)投資以上に貯蓄を行っている

「中学や高校の教科書にすら載っている、
オイルショックが原因で、高度成長は終焉を告げた(p52−53)」という誤解や、
木村剛著『キャピタル・フライト』の誤解(p160)も納得できました。
政策面での不況レジーム(p204〜)に至る一連の過程を教えていただいたことで、
通貨当局に対する怒りがこみ上げてきた次第。
「流動性の罠(ヒモは引っ張ることはできるが押すことはできない)」
 ⇒「政府・日銀の拡張的貨幣供給は、必ずインフレを引き起こす
  (経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える)」

> おわりに
> 私にとって初の単著であり、初の啓蒙書でもあるという点で、不慣れな部分も多いと思います。
> さらに、この種の啓蒙書を駆け出しのエコノミストが書くことにも抵抗があるという人が多いことでしょう。
とありますが、この若さでこれだけの内容(特に4章)を物すことができる才能に、シビレる他ありませんでした。
ロジカルシンキング、経済学、双方において物足りない ★★★☆☆
第一章において、論理的思考がどのようなものかを説き、
第二章において、経済学の基本的に前提について述べ、
第三章において、経済学の基本的理論、概念について説明し、
第四章において、90年以降の「失われた10年」について論証している。

が、そのそれぞれが中途半端であるように思われる。
第一章の論理的思考については、
定評のあるロジカルシンキングの本を非常に薄めたような内容であり、
第二章、第三章、第四章は駆け足であり、初学者にとってはわかりづらく、
上級者にとっては論証が足りないものと思われるだろう。

また、著者が提唱する、
1.論理的に語られなければならない
2.データに裏付けられた論理で語らなければならない
3.人はインセンティブに従って行動する
4.個人がアクセスできるフリーランチはない
5.市場均衡は非常によい性質をもっている



10 正しい「単純化・論理構成・データ確認」から導いた結論は常識に勝る
という、「経済学思考10のルール」も、
構造化されてはいない(ダブりがある、同じ分類のものではない)。エレガントでない。

著者の専門的研究の中身は私は存じ上げないが、
本書は、啓蒙書としては、少し足腰が弱く、また丁寧ではない、と思う。

ただ、経済学的思考の意義を強調し、
世の中の「トンデモ」な議論に一石を投じようとする、その姿勢は素晴らしいと思う。
過大評価されていると思う ★★★☆☆
他のレビュワーの方も指摘されていることですが、説明が簡潔化されすぎて逆に論理の繋がりが見えにくい部分が散見されます(特に3章)。著者の中ではあまりにも当たり前な事であるが故に、初学者がそれを理解できるかどうかについての配慮が甘いのではないでしょうか。それは著者の努力不足というよりも、むしろ編集者の側の問題なのかもしれませんが。

個人的には、初学者が本書で経済学のエッセンスをつかむのは困難で、いわゆる教科書で一通り基礎を学んだ人が「戻ってくる」ための本ではないかと思います。現在は、翻訳物(マンキューやスティグリッツなど)を含めて親切な教科書が多く出版されていますから、近道をしようとせずにそういう本に挑んだ方がいいように思います。
GDP成長無き企業繁栄とは? ★★★★☆
『経済学思考』のテキストとして、デフレに陥った現在の日本経済を題材にその実践例を示す試みは、意欲的でとても良いです。しっかりした構成で書かれており、『デフレ期待の自己実現』による大停滞論にもかなりの説得力があります。ただ説明がデフォルメされすぎて論理のつながりが見えにくい箇所が複数あり、キャピタルフライト不況論の否定はストックとフローの混同?のようにも思えました。

ところでGDPの三面等価を分配面でみると、GDP≡雇用者所得(労働者の取り分)+営業余剰(資本家の取り分)とのこと。この2003〜2007年の景気拡大で名目GDPの成長は僅かに年率1.3%。しかし企業利益(営業余剰)が過去最大級に躍進したってことは、その分国民から企業へ所得が移転された訳です。「成長を実感に!」なんて叫んでた総理もいましたが、GDP成長無き企業繁栄とは一体何を意味するのか、理解しておられたのでしょうか??
第2章までが秀逸。その後は若干校正が雑で初学者にはやや難解か。 ★★★☆☆
本書の目的は、「単純化して突き詰め、データによる確認をする思考」(=経済学思考)を身につけ、
それに基づく非常に基本的な経済原則を知り、自分の手で現実の経済・ビジネスを考える実践力を身につける、
というものである。

結論から言うと、本書の価値は第一章及び第二章に集約されており、それ以後の内容に関しては初学者が完全にモノにするにはやや難しいだろう。ある程度経済学を専門に学んだ身からすると、本書は全体を通して経済学思考及び基礎的な経済理論の大事なエッセンスがコンパクトにまとめられていると思う。ただし、これはおそらく一度経済学を学んでいるからこそ分かることであり、初学者がこの本でそれを感じるのには中々ハードルが高いかもしれない。

本書には、ほとんど数学は使われていない。これは経済学の初心者向けの本といえども珍しい。特に第2章までには、経済理論すらほぼ使わずに経済学思考のエッセンスを見事に説明している。ただし第3章以降は「極めて単純化」された経済理論が概念的にしか説明されていない。この点に関して分かりやすいと感じるか、何か腑に落ちない感じのするモヤモヤとした理解に感じるかは人によるだろう。

おそらく致命的なのは本書の校正の甘さである。特に第3章以降にかけては、それまで説明されなかった経済学の専門用語が説明なしに登場していたり、図が出てきてもその説明が省かれたりといったことが多い。

また、基本的に既に説明されたことは理解されたこととして記述されるため、初学者にとっては通読はなかなか大変だろう。本書の売りであるシンプルで簡潔な説明も、書き方によっては説明不足で投げやりに感じられる部分も多々ある。

参照もやや不親切であり、例えば「第3章の何ページで述べたように」のような丁寧な形ではなく「第3章で説明したように」といった省略が度々ある。本書は4章構成と大まかな構成であることを踏まえると、この参照スタイルでは少し読者にとっては酷だろう。

以上より、第2章までは読者層を問わず秀逸な本である一方、第3章以降は経済学初学者にとって通読は困難に感じられるだろう。その点が非常に惜しいので星3つとさせていただいた。