ちなみに永井さんの著作に登場する猫はインサイト、ペネトレ、そしてこのアインジヒトと三匹目である。彼らが順調に増えていつか猫の集会を開いてくれるとうれしいな。
永井さんの本が「小説」だというのは、それがあくまでも、「私」が「私」の言葉で「私」だけにしかわからないはずの思いを描くものだからです。それがむちゃくちゃ論理的に書かれているので、いちおう「哲学」のジャンルに入ってしまうのですが。だから、ほかの哲学・倫理学の先生方とケンカになります。その対立や対決もまた小説的であり、それは本書にも出てくるポイントであります。おもしろいぞ。