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ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)

価格: ¥842
カテゴリ: 新書
ブランド: 筑摩書房
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私は全然理解していません ★★★★☆
ある本を読んでいたらヴィトゲンシュタインが引用されていたのだが、
私はヴィトゲンシュタインに関する知識をまったく持ちあわせていな
かったので、その本がいまいち理解できなかった。そうなると、ヴィト
ゲンシュタインの入門書から入るしかないよなってことでこの本にたど
りついた。
正直言えば、一読しただけではあんまりわからなかった。個別のトピック
はとても論理的に構成されていて、そういった思想の断片は何となく雰囲気
だけはつかめたと思う。だけど、断片が有機的につながって1つの全体像
として感じられるにはいたっていない。たぶんそれができたら気持ちいい
だろうなって予感はする。大哲学者の思想が新書一冊に入りきるわけもなく、
私の言っていることは本書への不満ではない。魅力的な思想に惹かれたとき
に感じる「もっとちゃんと理解したい」という熱望みたいなものだと思う。
ヴィトゲンシュタインの素人なので本書が良いか悪いかなんてわからない。
でも、この本で引用されていたヴィトゲンシュタインの言葉に感激した。

 「 思想に値札をつけることができるだろう。ある思想の値段は高く、ある
  思想の値段は安い。さて思想の代金は何によって払われるのか。勇気に
  よって、と私は思っている。……
   間違った思想でも、大胆にそして明晰に表現されているなら、それだけ
  で十分な収穫といえる。」

この言葉に出会えた。それだけで“私”にとって意味のある本となった。
ミステリアスで魅力的な思想家ウィトゲンシュタインを見事に紹介 ★★★★★
思想のあるべき位置にとどまり、「語りえぬことについては、沈黙しなくてはならない。」と語る、ミステリアスで魅力的な思想家ウィトゲンシュタイン。僕にとってウィトゲンシュタインは深過ぎる。だが本書によって、鬼気迫る迫力で、剃刀のように切れ味の鋭いウィトゲンシュタインの思想を体感することができる。講談社現代新書の「これがニーチェだ」と言い、著者永井均は、新書本の紹介で俄然、力を発揮するように思う。
「言語ゲーム」の記述に関しては希薄 ★★☆☆☆
特に後期哲学に関しての入門書として読みました。
「言語ゲーム」に関しては、理論や説明に相当省略部分があるように思いました。
私はそのためほかの「入門書」とあわせて読んでみましたが、やはりすこし内容がこの部分に関しては薄い気がします。
ただし、ある文芸批評家はこれ一冊で「ウィトゲンシュタイン」がわかったといっていましたから、ある程度の知識が前提とされるのかもしれません。
断念して品位を保つ ★★★★☆
本書はウィトゲンシュタインの初期、中期、後期へと時代を追って、問いと考えの変遷を追う。哲学は答えではなく、新たな問いを投げる。著者は、この本を哲学の本であって、人物紹介でもなければ、解説書でもないと述べる。
言語ゲームに至るまでのウィトゲンシュタインの語りの過程が、その後の確実性の問題まで、新鮮で興味深かった。限界を突き詰めていくような考えの過程。問いの答えがないと覚るしかない限界。そうとしか言いようがない事態、あるがままに受け容れるしかない与件、そして語りえないとすら語りえないもの。

私とあなたは、どうしてこれほどわかりえないのか。
私はあなたがわからない。語りえぬものを語ろうとして私は失敗した。私の背後にありもしないものを読み取られて幻滅した。
私はあなたの注意を私に向けたい。それ以上のなんの意味があっただろうか。あなたは私をわからない。
私の興味のあるところでは、他者理解や私的言語について、もうしばらく反芻して吟味し、咀嚼していきたい。読者が「私の問い」を問うたら、おそらく本書の目標達成に一助をなすのではなかろうか。
独特の観点 ★★★★☆
ウィトゲンシュタインの思考の変遷をその人生にも触れながら描いていく著作。非常にコンパクトに、うまくまとまっていると思われる。ある種伝記的な色合いを持つ。

しかし問題の中心は著者自身(永井均氏)の問題に帰されるように見える。
「私」が「この私」であるのはどうしてか?単なる「独我論」に集約されない、共有されない独我論。
そのような問題を提起することに自分で言っていて矛盾を感じるが、この書はウィトゲンシュタインを通して著者永井均氏の問題を訴える書であると私は感じる。この問題自体は非常に面白く、ここから哲学は面白い!と思う人もきっといると思う。著者の読みではこの問題はウィトゲンシュタインが終生抱えていた問題だという。その読みも面白い。

ウィトゲンシュタインの哲学は「語りえず、示される」ものを雄弁に語りたくなる、そんな哲学だ。永井氏を惹きつけてやまないものもそんな一面にあるかもしれない。そして同氏の問題も「語りえない」問題だ。この本を読んでああすごい、と思える人は哲学が向いているかもしれない。そんな知的好奇心を強くくすぐる一冊。