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これがニーチェだ (講談社現代新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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無意味の先にあるもの ★★★★☆
本書で著者はニーチェの哲学を通し、神の死=絶対的、普遍的価値観の死であり、その先にこそ自分だけの道があると訴える。特に前半の「なぜ人を殺してはいけないか?」などの問題提起は著者ならではと思う。
最も危険な思想家ニーチェを、その毒を中和せずに紹介 ★★★★★
当初、ニーチェを読むと怖かった。底知れぬ闇を見てしまったような、精神を破壊されてしまいそうな恐怖を感じたものだ。だがニーチェを紹介した本の中では、それほどの恐怖を感じさせてくれる(?)ものはなかった。そんな中、もちろんニーチェの著書自身の危険さには及ぶべくもないが、同種の危険な香りを放つのが、本書、永井均著『これがニーチェだ』だといえる。二次文献にこれほど感嘆し、繰り返し読んだことはないというくらい、本書には思い入れがある。ニーチェの毒を中和せずにその危険さをありのまま紹介するのに成功している本は、寡聞にして他になし。
良い本だが、入門書ではない。 ★★★★☆
この本は、永遠回帰などのニーチェの思想について、かなり興味深いことが書かれていると共に、ニーチェ好きな人が陥りやすい誤解や誤信を気付かせてくれます。
しかし、間違いなく、入門書ではありませんね。というか、ニーチェの入門書として、この本を読んではいけないと思います。
なぜなら、興味深いことが書かれていると共に、解釈が偏りすぎていると思うからです。この本を最初に読んでしまうと、逆にニーチェについて誤解しかねません。というか、ニーチェを理解すると言うより、ニーチェについての著者の解釈を理解するということになってしまいます。最初から、ハイデガーの『ニーチェ』を読むべきではないことと同じです。
この本は、ある程度ニーチェを読んでいる人が、「このようなニーチェ解釈があるのか」と興味深く読み、自分の解釈と照らし合わせ、自分の解釈の欠点や誤解を直す本です。なので、入門書としては勧められません。
2冊目として ★★★☆☆
竹田青嗣『ニーチェ入門』よりも著者の独自色が強い。
2冊目以降、多様なニーチェ解釈の一ヴァリエイションを知る目的にはいいと思います。
体系的かつスムースな理解には、竹田→永井→?、の順序がよいのでは。
読む者に哲学することを強いる哲学者 ★★★★☆
本書は「空間」という独自の区分によって構成され、ニーチェによる道徳批判、キリスト教批判、超人思想、パースペクティヴ主義、
永遠回帰、などが解説される。

本書の特色はなんといっても、ある種の「両義性」をはらんでいるところだろう。
本書のタイトルは『これがニーチェだ』。新書に限らず、ある思想家・哲学者の入門書であるなら通常は、「〜入門」とか「〜の哲学」
などのタイトルを付けるものだが、どうだろうこの「これがニーチェだ」という挑発的なタイトル。

ところが、筆者永井氏は本文で幾度も、「万人向けのニーチェなど、存在しない」と言うことを述べている。また序文でも本書では、
「ニーチェを批判する」、あるいは「本書がニーチェ解釈として正しいかどうかには、さしたる関心はない」とまで言ってのける。
堂々と「これがニーチェだ」と看破しておきながら、このような文章があるのは、どこか矛盾したようには読めないだろうか。

しかし、矛盾はしていないのである。

真理をとことんまで突き詰めたニーチェの思想は、よく代名詞的に語られるニヒリズムとはまた異なる、タフな側面をもつ思想である。
(例えば、「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに対しても彼の哲学に沿えば、道徳的な側面からの答えを唾棄されるため、
結局答えることができなくなる)。また、思想家の哲学・思想を啓蒙してくれる「わかって楽しい新書」、という既存の新書のあり方と、
ニーチェ思想はその根本からして、対立しているのだ。

ニーチェ思想は時代に敗北した。
しかし、ニーチェの突き詰めていくものの考え方、思考のエッセンスは、今なお有効ではないだろうか。

永井氏は、読者おのおのがニーチェを精読することによって自ら哲学をし、ニーチェの言いたかったことを自分なりに解釈し、自分
なりの確固たるニーチェ哲学を完成させることをのぞんでいるのである。つまり本書のタイトルは正確には「これが(俺にとっての)
ニーチェだ」。「誰がなんと言おうと、俺にはニーチェがこんなことを言いたかったように思えるんだ!」
本書は、二ーチェを通して哲学し尽くしてきた永井氏のニーチェ解釈に対する、そのような確固たる自信にあふれている。
本書のタイトルと内容には、そのような行為遂行的な意味合いが込められているのである。

本書は「ニーチェ読者」の先達である永井氏による、読者に対するニーチェ思想への挑発(あるいは誘い)の書である。